【ウルグアイ戦】ここまで楽しいサッカーをする日本代表は何年ぶりだろうか?堂安律、南野拓実、中島翔哉は日本サッカーの宝だ!

森保一監督率いるサッカー日本代表が、FIFAランク5位の強豪ウルグアイ相手に4-3という打ち合いを制した。

ホームゲーム、親善試合、エースのスアレス不在、3失点という要素はあるものの、発足間もない森保ジャパンが見せたサッカーに、多くの人が興奮したことだろう。

日本代表がピッチで見せたサッカーに、ここまで心躍ったのは、ザックジャパン時代のオランダ(2−2のドロー)、ベルギー(3−2で勝利)以来である。

試合後の長友佑都のインタビューが全てを物語る

「僕がもし代表選手に選ばれてなくても、試合を見に来たいなってくらい。それくらい生き生きした良いサッカーをしていた。うまいし速いし、日本代表これから面白くなるんじゃないですか」

本当にその通り。

ハリルホジッチ政権時、世代交代のなさが危惧されていたが、良い若手がいなかったのではなく、シンプルに出番が与えられなかっただけなのだろう。

まずはそのウルグアイ戦を振り返ってみたい。

ウルグアイ戦レビュー

日本代表スタメン
GK:東口 順昭
DF:酒井宏樹、三浦弦太、吉田麻也、長友佑都
MF(ボランチ):遠藤航、柴崎岳
MF(攻撃):堂安律、南野拓実、中島翔哉
FW:大迫勇也

前半ハイライト

森保ジャパンの新体制始動から2試合連続で3-0の快勝を収めていた日本代表にとって、初めてのビッグゲーム。2列目にクラブでも代表でも好調で旬な堂安律、南野拓実、中島翔哉を並べ、1トップの位置には“半端ない”大迫勇也が入る。守備陣にはロシアW杯でも不動のレギュラーとして出場した酒井宏樹、吉田麻也、長友佑都が森保体制初先発を果たす。

開始10分、左サイドでボールを持った中嶋がカットインから中にパスを送ると、中央でボールを受けた南野が巧みなターンで前を向きシュート。GKに当たるもボールはゴールネットを揺らして幸先良く先制ゴールを奪う。

先制ゴールを奪って以降はウルグアイも徐々に力を発揮し、28分にFKの流れから、ガストン・ペレイロに決められて同点に追いつかれる。

今までの日本代表ならこのままズルズル引きずりそうだが、2列目の選手が前へ行くことで、再びペースを戻していく。そして36分、それまでシュートを外していたいた大迫が遂にゴールネットを揺らす。中嶋のシュートをGKが弾いたボールを押し込み勝ち越しに成功する。

ゴール以上に、2列目選手の仕掛ける姿勢、PA外からも積極的にミドルを打つ姿をようやく日本代表で見ることができて嬉しい。

前半はこのままスコア動かず終了。

 

後半ハイライト

いいムードで終えた前半と代わり、後半は最悪な形でスタートする。12分、吉田とCBのコンビを組んでいた三浦弦太がやらかす。直前のプレーで自陣に戻るのが遅れ、東口の近くにいたカバーニにプレゼントパスを送ってしまう。このプレゼントをカバーニが無駄にすることなく、東口を外して決め、同点に追いつかれる。

経験不足と言ってしまえばそれまでだが、非常に安易で酷いミスである。ただ、こういうミスをキッカケに、飛躍して欲しいと願う。

しかし、直後の14分、静まり返る会場が20歳の堂安によって盛り上がりを見せる。相手のクリアボールを拾った堂安が、PA手前に残っていた酒井とのワンツーで抜け出し、相手を外して丁寧に流し込んで再び勝ち越す。

いや凄い。あれで20歳というのは頼もし過ぎる。強豪相手に普通にボールをキープしてパスしてシュートして、そして正確でって。このままいいキャリアを重ねて欲しい。

再び勝ち越して勢いに乗る日本は7分後の後半21分、PA手前の混戦から堂安が思い切ってシュートを放ち、相手GKが弾いたボールを南野が詰めて4-2とする。ロシアW杯ロスはどこいった?という程の興奮だ。

ウルグアイも黙ってない。後半30分、中盤で遠藤航からボールを奪い、ボールを受けたカバーニがPA内に走り込んだホナタン・ロドリゲスに浮き玉のパスを送ると、ボールを受けたホナタン・ロドリゲスが丁寧に流し込み4-3とする。

しかし、その後は両チーム疲れも見え、決定機はなく試合終了のホイッスルが鳴る。

試合まとめ

ウルグアイの選手が主審に文句ばかり言って、やや後味が悪い終わり方だったが、素晴らしい勝利だったことは間違いない。特に2列目の堂安、南野、中嶋の若手トリオの存在が褒め言葉しか出てこない。中嶋はゴールこそ奪えなかったが、ウルグアイ相手に堂々プレーし、危険な選手であることを証明してくれた。南野については体が強く、前への意識も強いので、同じポジションで今回招集されなかった香川の必要性あるのか?という話が出てきそうである。堂安についてはハイライトでも説明した通り。

2列目だけでなく、ボランチの位置に入った遠藤航の活躍も見逃せない。器用な選手だけに浦和でも代表でも、「とりあえずベンチに置いておきたいマルチプレイヤー」といった感じだったが、危険察知能力に長け、パスも悪くないので、長谷部誠に代わるボランチの要になりそうな気配が漂う。3失点目のシーンは残念ではあるが、2失点目に関与した三浦と共に良薬としたい。

森保ジャパンでは初出場となった酒井宏樹は相変わらずプレーの選択&質がよく、長友はベテランらしく締めていた。3失点したものの、単純にDF陣だけのせいではないので、吉田麻也含めてところどころ違いを見せてくれた。

課題は以前と変わらず、軽いプレーをしてしまうことか。中途半端な守備、セットプレー時の集中力の欠如は、今後世界との差を縮めていくには改善が必須である。どうすれば強化できるかは分からないが、アウェイの経験値を高めることにヒントが隠れているだろう。

 

油断禁物

スタートが好調な分、今後に期待しかないが、4年後の見通しが明るいか?と言われればまだ分からず。

ジーコジャパン、ザックジャパンの発足時にも楽観ムードが流れていたが、どちらも徐々に中心選手のパフォーマンスが落ち、代わりの選手がいない状況で本番(W杯)は惨敗に終わった。この教訓は確実に生かさないといけない。

今の所称賛しかない2列目の選手も、次のW杯までに確実に所属クラブを変えてくるだろうが、移籍先で干されることがないよう、自分に合ったリーグ・チームを選んで欲しいと願う。過去失敗した香川(ドルトムント→マンチェスターU)、本田(CSKAモスクワ→ACミラン)を例を生かそう。

期待値半端ない

とはいえ、今の日本代表の期待値は半端ない。来年行われるアジアカップ、ゲストとして呼ばれるコパ・アメリカで、どこまで強豪相手にプレーできるのか楽しみでならない。それほどまでに今の代表には希望が満ち溢れている。

個人もチームも、今がピークでないことを願うばかりだ。