運動会の種目[台風の目]で役に立たなかったエリー

運動会で行われる台風の目という種目をご存知だろうか?

台風の目(たいふうのめ)とは、運動会で行われる競技のひとつ。鳴門の渦潮・タイフーン・旋風・ハリケーンともいう。
台風の目は4~5人を一組とし、全員が一本の長い棒を持ち、定められたコースを走る競技。コースの途中に2~3個コーンが設置されており、そのコーンを中心に一回転することがルールとなっている。また、ひとつのコースを往復し、リレー競技とする場合もある。
引用:台風の目 (運動会) – Wikipedia

我が母校の中学でも例によって行われ、組別対抗の中ではリレーの次に加算ポイントが高い競技だったと覚えている。組み合わせは男女各2名の合計4名が一組となり、指定箇所を周って次のグループへ渡すというシンプルなルール。

今日はそんな台風の目にまつわるエリーの話を。

一あれは中二の体育祭一

私のクラスは台風の目でビリになった。レース前は他クラスから“台風の目”と評されていたものの、結果は惨敗。非常に恥ずかしい気持ちだったことを今でもはっきり覚えている。そして、その要因がエリーであったような気がしてならないのだ。勿論クラス全体の負けなので女生徒一人に責任を求めるのはナンセンスだが、それでも私の見解で敗因はエリーとなっている。

今回は当時の記憶を蘇らせて検証してみたい。

台風の目で敗れた敗因はエリーか?

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検証1・羽付き餃子モロ出し

以前エリーに関してこんな記事を書いた。

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エリーはハミパン大魔王。当然運動会当日も羽付き餃子姿であらゆる種目に臨んでいた。100m走、玉入れ、二人三脚、、、悲しいかなエリーが競技に夢中になればなるほど羽付き餃子の羽面積が広くなっていく。羽付き餃子の羽部分が露わになる度、皆が視線を下に落としていた。これは競技する上で非常にマイナスポイントといえる。
注目はもう一つあり、羽部分となるパンツのカラーリング。お母さんから「頑張れ!」という意味を込められたのか、当日のカラーはあろうことかイエロー。ブルマは深いグリーン。勝負に拘ったお母さんの狙いとして、グリーン(ブルマ)+イエロー(パンツ)=ブラジル代表を意識したと考えるのが打倒だ。

こうしてセレソンブラジレーラ魂を下半身に宿したエリーは、100m走では4位、玉入れ合戦では2個玉ゲッチュウ、二人三脚では3回転倒と、文字通り獅子奮迅の活躍を見せた。しかし、私同様セレソンの存在に気づいた生徒も多く、皆一様にエリーを見て見ぬふりした。

これではチームといえない。
そう、私達は戦う前から負けていたのだ。

検証2・真面目さが仇?

ソフトボール部に所属していたエリーの辞書に手コキはあっても“手抜き”という言葉は存在しない。だからこそ、運動会前日でも小さな体に似合わぬ太めのバッドをぶんぶん丸していた。しかし、真面目さが仇となり、運動会当日の手の平はボロボロ状態に。台風の目で使う棒はバットよりも太くて長い…傷だらけの手で棒をしっかり掴める訳もなく、エリーは競技時に棒を掴むのではなく、手を添えるだけとなってしまった。

結果として推進力を無くしたエリーグループは他のクラスにごぼう抜きされ、我がクラスは一気に最下位へ落ち、そのまま最終順位も最下位となった。男しっかりしろよ!と感じるだろうが、エリーのグループで一緒に棒を掴んでいた男子は二名ともメガネ君だったので致し方ない。

このグループが他クラスに勝てるかどうかはエリー次第と分かっていたにも関わらず、ベストコンディションを整えなかった彼女自身の失策だったといえる。

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検証3・バクニュウという身内の敵

台風の目でエリーと一緒に走ったもう一人の女子はクラス一のバクニュウ岡部さん(仮名)。岡部さんはどう思っていたか定かではないが、大きな2つのプティングの存在は間違いなく私達の敵だった。サッカーのフリーキックに例えると、元ブラジル代表のジュニーニョ・ペルナンブカーノが見せたフリーキックの軌道に似ている。左右に激しく揺れ、途中で速度が早く感じる魔のフリーキックだ。

https://www.youtube.com/watch?v=8t1jGT4whBs

一緒に並走するメガネ男子、次のバトンを受ける男子、既に走り終わった男子、皆が岡部さんの揺れに対抗できなかった。一方で手を添えて走っているだけのエリーの軌道は実に淡白なものであり、青かった私達は岡部さんを支持した。

どんまい岡部さん!
次いこ!次!

今でも後悔する。あの時もっとエリーを持ち上げていればと。きっと傷だらけの手でも極太棒をしっかり掴み、ヤケクソになって首位通過してくれたことだろう。私達がエリーのエンジンとなるべきだったのに、目先のプディングに心を奪われた己の青さ、未熟さ、心の弱さよ。

「エリーは伸びしろ半端ないよね」
この一言が言えればきっと結果は変わっていたことだろう。

検証4・昼食のオムライスは適切だったのか?

運動会といえば、お母さんが手作り弁当の質を争う日でもある。今でこそインスタがあるが、私達PHS世代はそんなもの存在しない。そこにあるのは「◯◯君のお弁当すげい」「◯◯さんのお弁当凄い可愛い」という現場の声のみだ。果たしてエリーのお母さんは・・・

オムライスだった。


出典:オムライス/お弁当 – おべんとう&フリー素材

小柄な割に食欲旺盛なエリーは、オムライスを豪快に貪って午後の台風の目に備えていた。しかし、今となっては運動会の昼食にオムライスが正しかったかどうかは分からない。理由として特盛りオムライスでお腹いっぱいになったエリーから、やる気よりモチベーションを失っていたように見えたからだ。

「何だか眠くなっちゃった笑」

警鐘を鳴らしておくべきだったと反省している。あの時、嫌われてもいいからエリーのオムライスを少し奪っておけばと。そうすれば、午後はオムライスを奪われた怒りを台風の目で活かしてくれたかもしれない。真っ先に帰って来てクラスを優勝に導いたかもしれない。しかし、台風の目において“タラレバ”は厳禁だ。

イギリスの哲学者、ジョン・スチュアート・ミルは『功利主義』第二章でこう語っている。

「満足な豚であるより、不満足な人間である方が良い。 同じく、満足な愚者であるより、不満足なソクラテスである方が良い。 そして、その豚もしくは愚者の意見がこれと違えば、それはその者が自分の主張しか出来ないからである。 」

私も概ね同意見だ。

検証5・ハチマキの結ぶ位置は前髪部分で正しかったか?

オシャレさんは小物で差を付ける。これは今も昔も変わらないが、運動会でいえばハチマキの結び方ではないだろうか?男は魁男塾の剣桃太郎のような結び方をするが、女子は異なる。リボン結びもしくは魔女の宅急便結びが多い。こんな感じ。

可愛さを最大限に引き上げる結び方として人気のスタイルだ。ただ、この魔女の宅急便結びには大きな落とし穴がある。それは、相応の顔面ポテンシャルが必要ということ。参考画像の子のような美女ならばプラスに働くが、中途半端な顔面で魔女の宅急便結びに挑戦すると、こちらの気持ちは一気にクール宅配便となってしまう。

もう分かったと思うが、当時クラスメートの女子8割はこの魔女の宅急便結びをしており、その中にエリーも含まれていた。今でこそ超絶美女となったエリーだが、当時はまだイモ臭さが拭えず、正直全く似合ってなかった。朝一の教室で魔女の宅急便結びを施しているエリーを見た時、既に全て終わっていたのかもしれない。

長くなったが検証は以上。

最後に

こうして検証してみると台風の目惨敗劇は、エリーのケアレスミスが招いた結果であることが分かって頂けたと思う。しかし、責めるつもりはない。それでエリーが目覚めて綺麗になったのなら結果オーライだ。A女E女になるのは楽じゃない。そして、誰にでも伸びしろがあるということを教えてくれたエリーには感謝している。さよならブルマ。

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