体育のプールを拒否し続けたエリーの想い

中学の頃、体育のプールを休みがちな女子生徒数名の中にエリーがいた。暑い日のプールは最高なのに、なぜ仮病を使ってまで避けていたのか?断っておくが、私はエリーの水着姿が見たかったというイヤらしい気持ちは一切なく、単純に『楽しいことはみんなで分かちあおうよ』という平和主義からそう思っていたのだ。しかし、待てど暮らせどエリーはプールサイドで虚ろな表情を浮かべるばかり。そこでエリーがプールを拒否する理由を考えてみた。

エリーがプールに入らなかった理由

1.巨乳過ぎる/思春期の成長は他の動物と遜色ないし、夏休みの間に背が5cm以上伸びた生徒もいたので理由としては十分だ。しかし、普段の体育の時間を見る限り、とてもじゃないが【巨乳】と【エリー】は結びつかなかった。滅茶苦茶プラスに捉えても甘食程度だろう。

2.水着が小さい/中学あるあるの一つ。1年生の頃にゆとりあるサイズを買わなかったため、2年になるとキッツキツになる。しかし、エリーの成長は遅く、中学二年の頃になっても背は140前半のミニモニサイズ。ということはこれも違う。

3.実は剛毛/可能性としてなくはない。大人になれば毛の処理なんて当然だけど、あの頃は施しようがなく、伸びていく毛を黙って見届けることしか出来ない時代。でも、体育着姿のエリーを見る限り、無駄な毛など一切なかったことは確認済み。なのでこれも違う。

4.サポーターを買ってない/コレだ。コレしかない。サポーターとは、水着の下に履く前バリ感覚のショーツ。コレを履いておけば急なポロリに対応できる他、自身のサイズを少し小さく申告できることからサイズ感を気にする人に大人気のアイテム。恐らくだが、エリーは水着を購入する際「出るもんなんてないわボケ!」と考えたのだろう。分かる。分かるよエリー。でも、エリーの予想と裏腹に思春期の成長速度はあっと言う間で、Vゾーンなんて誰もがジャングルになる可能性を秘めている。「どうせ私なんて」と警戒を怠ったエリーの先見性のなさにはガッカリダヨ。

ということで、正解は4の【サポーターを買ってない】でしたー\(^o^)/

そんなある日、エリーが入水を決意する日が訪れた。ロード・トゥ・プール。デッドオアアライブ。恐らくサポーターをゲットしたのだろう。

初プール

あれは夏休みに入る直前の7月中旬頃。「今日もどうせ休むんだろ?」と思う視線の先には。。。。R2-D2が!!

いや、よーく見るとR2-D2ではなく、水泳帽が頭のサイズに全くあってないエリーだ。そしていざ着水し、クロールの練習へ。エリーは勢い良く飛び込み、懸命に泳いでいた。その光景はR2-D2が溺れてるようにしか見えなかったけど、顔は真剣そのもの。特に息継ぎ時に水面へ出す顔は、十三人の刺客に出ていた役所広司のように有無を言わさぬ迫力を感じてしまう。さすがだ。。

そして何故か寒気を感じた。それでも、プールの授業終了後に楽しそうなエリーを見ていたら、不思議とこちらも楽しい気持ちになった。やっぱりプールは最高だなと。

そして現在、職場の近所に縁もゆかりもない中学校がある。この学校にもプールがあって、夏になると生徒達のはしゃぐ声が聞こえてくる。目を閉じるとそこには母校の姿。アスファルトを照らす日差し。田んぼの匂いやセミの鳴き声。私は一瞬引き戻される。あの二十年前の夏へ。エリーはほとんどプールに入らなかったけど、唯一入った夏休み前の体育の授業。R2-D2。今となれば全てが良い思い出だ。もう30歳を過ぎてるし、今更エリーの水着姿を見たいとはこれっぽっちも思わない。しかし、もしプールや海でエリがー水着になることに躊躇しているようなら背中を押してあげたい。

え?サポーターがないって?大丈夫。
今度こそ「私は君のサポーターだよ」と胸を張って言うつもりだから。

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