川崎フロンターレが優勝するためにはバルセロナのプレッシングを参考に

今Jリーグで一番面白いサッカーをするのは間違いなく川崎フロンターレ。

ガンバ大阪は前線の選手だけ見ると攻撃的なイメージが強いが、実際にピッチで展開されるのはリアクションサッカーで、浦和レッズにしても年々バランスを重視し始め、サンフレッチェ広島のサッカーなんて後ろが主導を握っている。

一方で風間八宏監督が率いるフロンターレはボール扱いに長けた選手をピッチに配置して主導権を握り、相手を自陣に押し込む【攻撃的サッカー】を実践するチーム。
その攻撃的な姿勢はロスタイムに数々のドラマを生み出し『等々力劇場』とも言われている。

私は川崎フロンターレというより中村憲剛のファンであり、彼が未だにタイトル獲得できていないことや、今年がクラブ20週年ということでフロンターレにタイトルを取って貰いたいと密かに思っているが、現状のままでは厳しい。

タイトルに縁がない川崎フロンターレ

川崎フロンターレはタイトルに縁がない。

攻撃陣は魅力的で、ここ10年で見てもジュニーニョ、鄭大世、我那覇和樹、レナト、大久保嘉人、小林悠など、常に他チームが羨む選手を抱え、その後ろで中村憲剛がタクトを振るってきた。

問題は守備で、カウンター攻撃に弱く下位チームから勝ち点を順調に取れないこと。また、一度崩れると立て直すのに時間がかかるという問題を毎シーズン繰り返している。

2014年の大宮戦が象徴的な試合。

守備意識の低さ、システム、ディフェンスラインの質など考えられるが、一番は強かった頃の鹿島アントラーズにあったような「勝者のメンタリティ」がないことではないだろうか?

多くのチームが持ってない勝者のメンタリティ

「勝者のメンタリティ」は鹿島アントラーズ、華麗なパスワークで一時代を築いたジュビロ磐田、岡田武史監督が率いていた横浜F・マリノスにあった。

言葉を変えれば憎たらしいほどの強さ

ここ最近ではサンフレッチェ広島が少しずつ持ち始めているが、他チームにはない。
毎年シーズン終盤に失速する浦和レッズ、2013年に優勝リーチから連敗してタイトルを逃した横浜F・マリノスに欠けていたのもまさにソレ。

そしてそれは長年フロンターレに欠けているもの。

責任をDF陣のみに求めるのは酷

今シーズンはGKに韓国代表のチョン・ソリョン、DFには柏レイソルからエドゥアルドを獲得して守備の安定を図ろうとしている。

画像引用:川崎、風間体制5年目。失意の2015年を乗り越え“勝利しか許されない1年”に挑む【2016補強診断】 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!

しかし、本日行われた湘南戦(4-4のドロー)を見る限りまだまだ脆い。カウンター攻撃に驚くほど弱く詰めも甘いので、今の守り方ではGKをノイアーにしても厳しいだろう。

ただ、失点はディフェンス陣のせいだけではなく、チームの守備意識、特に中盤のフィルター力が低いのが影響している。

現在ボランチにはリオ五輪候補の大島僚太、キャプテンの中村憲剛が勤めているが、ともに持ち味は攻撃で守備ではない。時間帯によって二人共前へ出ている時間帯があり、危険な位置で奪われると一気にカウンターでやられる。

今日の湘南戦でも2失点目と4失点目はあっさりゴール前まで運ばれて失点しているが、中盤をあっさり突破されているのでディフェンス陣だけに責任を求めるのは酷。

だからといって中盤の底に守備意識高い選手を入れるとチームの理想が崩れるのを恐れてか、風間監督は守備を重視した組み合わせをしない。

模範とすべきはバルセロナ

守備に関してはバルセロナを参考にすべき。

バルセロナといえば怪物3トップやイニエスタばかりに注目が集まっているが、それ以上にバルセロナを支えているのは中盤のフィルター力。

ラインをコンパクトに保ち、ディフェンスラインが中盤のプレッシングに参加して高い位置でボールを奪う、奪ったボールは前線の怪物に預けるという戦い方で現在の黄金期を築いている。言葉でいうほど簡単ではないが、攻撃的スタイルを貫くならボールの奪い方も考え直すべき。

勿論バルセロナの選手の質が高過ぎるので真似するのは容易ではないが、現在の攻撃を諦めて全体のラインを低くするよりも高い位置で奪えるようにトライして欲しい。

最後に

色々言ってきたが、フロンターレのような攻撃サッカーをするチームがタイトルを取って欲しいという気持ちに変わりはない。

いつの日かJリーグの大半のチームが攻撃サッカーを標榜とするようなリーグになるため、フロンターレの理想が結果に繋がることに期待しています。