※この記事は痔の体験談を話すことで同じ苦しみを味わっている人に勇気を出してもらうことを目的としています。
本来ならばまずは病院へ
先日の記事で痔の民間療法を試してきましたが、結局肛門科の病院にも行ってきました。
さんざん薬を使ったり、民間療法で対応した内容を書いてきましたが、餅は餅屋といいますか、肛門は肛門屋といいますか、やはり専門家にはかなわないですね。
最悪の状態に陥る前に病院に行く方がいいようです。
病院のおかげで、わずか1、2週間前までアフガンの紛争地帯だった僕の肛門も今はすっかりラブ&ピース状態で、南国でトロピカルジュースを吸って微笑んでいる肛門が容易に想像できます。
だから、さっさと病院に行くべきだと声を大にして言いたいのですが・・・。
病院に行くって怖いですよね。
何をされるのか、どんな人が診察してくるのか?当然ケースバイケースだと思いますが、伝えられるモデルケースは多いほうがいいと思います。
同志たちに少しでも病院とはこんなところだとわかってもらえたら嬉しいので、今日は僕が病院に行った記録と、自分の経験からくるいくつかのポイントを残そうと思います。
やっぱり恥ずかしいけど、俺の屍を超えていけ!!
いざ病院へ
改善に向かっているものの、やっぱり完治しないなぁなんて状態がずっと続いていた僕のお尻。こりゃ最後の一押しがいるぞと、意を決して肛門科の病院を探してみたんですよ。
ネットで近くの病院を探してみると、なんと家の近くに割と評判の良い肛門科の病院があるじゃないですか。幸運にも肛門科。
怖いのでHPを見てどんな感じなのかを確認してから行こうと肛門科のHPを舐めまわすように見ていると、どうやらこの病院には肛門科の先生が二人いるみたいで、一人は青春時代は柔道に捧げてきたぜ、みたいな風体をしたゴツゴツのおじさん先生。
見た目的には柔道のシノハラに似ている。
※シノハラ先生
もう一人はなんとも品のいい妙齢の素敵な女性の先生でした。
雰囲気は宮崎美子さんに似ている。
※宮崎美子先生
その宮崎美子先生を見たら「せっかくお金を払うなら、やさしい女医さんに肛門を診てもらいたいな」と本音をポロリと口に出していました。
そんな僕の魂の叫びを隣でウチのワイフが聞いていたようで、引きつった表情を浮かべながら無言で立ち去る背中を見て、もう失うものは何もないと僕は決意を新たに病院へ向かったのです。
《point.1 配偶者に引かれないようにすること》
病院に到着
すぐに病院に着き問診票を書き、ドキドキしながら診察を待っていると一つの疑問がわいてくる。そういえば、2人の先生のうち、どちらの先生が僕を観てくれる、もとい診てくれるんだろうか。
HPで見た柔道オジサン先生(以下シノハラ)が現れるのか、もしくはもう一人の品のいい女性の先生(以下宮崎美子)が現れるのか、呼ばれるまではわからない。もちろん、宮崎美子に観てもらいたいのだが、当然指名制ではないだろうし、チェンジも不可だろう。まさに神のみぞ知るといった所。
祈るような心持ちで待っていると、ついに僕の名前が呼ばれ震えながら診察室に入ると、そこにはシドニー五輪の銀メダリストのシノハラの姿があったのだ。
そう、神は死んだのだ。
《 point.2 医者の性別にこだわりすぎないこと》
診察室での死闘
運命のいたずらに絶望しつつ、僕はシノハラから診察を受ける。いつから痛いのか?仕事の時の姿勢は?お酒やたばこは?といった生活習慣を質問される。わかっていたことだが、やはり痔は生活習慣病で日々の積み重ねが重要なのだなと改めて納得してしまった。
そしてそのまま、僕は指示されるがまま診察台という名のベットにやさしくエスコートされ、体ごと横になった。流れでシノハラに、
「じゃあズボンとパンツを下しますねー」
と優しくささやかれる僕。
つい「じゃあ先にシャワーを・・・」といいたくなるが、テキパキとバスタオルを掛けられ、あっというまにお尻が出てきます。シノハラがゴムの手袋をパチン、パチンと両手に着けて、さぁいよいよめくるめく夢と冒険の世界へ踏み出していきます。
僕の敏感なメシベとも思える肛門に、シノハラの硬くて力強い男の・・・
ってイタタタタタ!!
いや、シノハラ、グイグイくるな、オイ。おふざけで、官能小説的な表現なんてしてる場合じゃない!イタタ!!
激痛のさなか、さらに肛門に指を突き刺されて触診されます。
「いやぁ。そんなにかきまぜちゃ、いやぁ」と、レディな部分が出てきそうになりますが、その瞬間は当然そんな余裕なんてなくて脂汗を浮かべながらただただ祈っていた。ザー・・・アーメン。
てか情けないし痛いし。ホントグリグリされて泣けてくる。シノハラ、ユルスマジ、シノハラ。
と暗黒面に落ちそうになります。
《 point.3 指をつっこまれても医者は味方であることを忘れないこと》
治療
診察では指をつっこまれてグリグリされるので、このままだとシノハラを三代にわたって呪ってしまいそうなので、何か別の事を考えようと僕は想像をめぐらせます。
そこでとりあえず、肛門に指をツッコまれている自分にバックミュージックを付けようと思ったんです。テーマソングというか肛門への入場曲というか、とにかくこの状況にピッタリの曲を探そうとするのですが、こんな哀れな僕の頭に浮かんでくるのはドナドナくらいのもので、仕方ないのでドナドナの切ないミュージックを頭の中で歌って時間が過ぎるのを待ってみました。
まさか僕の人生で半ケツを出して柔道家に指をツッコまれながらドナドナを歌う日がこようとはね。ある意味では人生のピークと言えなくもない。
優しかった僕のおばあちゃんも、あの愛くるしかったヌキ之介ちゃんも大人になったわねと、天国で思ってることだろう。でもドナドナは子牛が売られていく歌であって、肛門に指をぶっさされる歌ではない。そもそも肛門に指を刺される歌などというものは存在しないのではないだろうか。そうなってくると、そもそも肛門に指をツッコまれている僕にバックミュージックを付ける必要性がないのではないかという発見に行き当たる。物事は考えると、巡り巡って原点に立ち返るものだなぁ。面白いものだなぁ・・・
と、脳内で意味のないことをグルグル考えていたら、いつのまにか拷問が終了していた。すごいぜ、ドナドナ効果。
《 point.4 困ったらドナドナ》
そして終了のゴングと共にシノハラが「おつかれさん。よく頑張ったね」と優しい言葉をかけてくれる。シノハラ…おまえ・・・ただ僕の身体目当てで弄んでいたんじゃないのね。本当に心から僕のことを・・・。
と、医者なら当たり前の事に何故か感動してしまい、またしてもマイフェアレディ状態の僕。DVを受けても別れられない不幸女の心境が少し理解できてしまった。
《point.5 医者に掘られても惚れないこと》
決着の時
シノハラのギャップで、あなたに恋を始めました状態になったものの、気力で闘志を絶やさなかった僕だが、これでようやく地獄の時間が過ぎ帰れることになりました。帰って布団にくるまって震えようと診察室を出ようとしたのですが、最後にシノハラから衝撃的な言葉が投げかけられたんです。
あとで嫁や友人に話しても、誰に言っても信じてもらえなかったのですが、確かに扉の閉まり際に、シノハラがこちらを見ながら、
「ハイーごちそうさまでしたー」
と力強く言ったんです!!ごちそうさまでしたですよ、ごちそうさまでした!ありえます?
ちなみに ごちそうさま を大辞林で調べると、
① 御馳走になったことに対して感謝する言葉。また,食後の挨拶(あいさつ)の語。
② のろけを聞かせられたり,男女の仲のいいところを見せつけられたりした時に,からかって言う語。
とのことです。なるほどなるほど。
いや、ごちそうしてねーわ!!
《point.6 医者にご馳走しないこと》
死闘はまだ続く
ワイフに引かれ、シノハラにご馳走し、ズタボロになりながら診療を終えた僕。ようやく家にたどり着いたのですが、しっかりと薬をもらい、言いつけどおりに過ごしていたらすっかり良くなってしまいました。やっほい。流石に病院の薬はすごい。調子がいいのでこれからはゴートゥヘブンだぜイェイイェイ。
などと浮かれたかったのですが、実は病院に行った日の夜にウチのワイフの実家に遊びに行って、本当にお尻が痛いんですよ~テヘ。みたいなことを話していたら、義理のお義父さんがニヤニヤしながら「そういえば、ヌキ之介くん」と呼ばれ、
「結局女医さんには診てもらえたのかい?」
なんて話しかけてくるから脳内プチパニック!何故女医さんに肛門を見てもらいたいという僕の性癖がワイフの家族にばれているのだ・・・。アワワと慌てながら、
「いえ、不本意ながら」
とか未だに正解だったかわからない返答を義理の父に返してました。アーメン。
《 point.7 配偶者には口止めをしておけ》
ウチのワイフのリークで義理の家族全員に謎の性癖がばらされた僕。病院で終わるかに思われた死闘はこの先も親戚の集まりの度に続くようだ。
てかこれからの方が地獄じゃねーか。
最後に
ということで、以上が僕が体験した死闘のすべてになる。正直ほとんど役に立たない情報ばかりなので申し訳ないが、世の中にはこんなにアホで情けない体験をしている人間もいるということを知ってもらうだけでも少し気が楽になってくれたらうれしい。
こんなくだらない内容でも、読んでくれた人の気持ちがひとりでも晴れたらこんなに幸せなことはない。これからもお互い頑張っていこう。
苦しみに喘ぐ同志たちへ希望の光を!
俺の屍を超えていけ!!!