石原慎太郎『太陽の季節』よりも本仮屋ユイカの方が純文学である

  • 2022年2月2日

『天才』石原慎太郎

本仮屋ユイカがMCを卒業してから少しだけ心が離れたとはいえ、王様のブランチの文芸書ランキングを僕は良く見る。

本仮屋ユイカのかわいい笑顔と愛くるしい目。そしてあの優しい本の感想が聞けなくなったとはいえ、王様のブランチの文芸書ランキングを見れば様々な視点からのおすすめの本を見れるし、その本たちが書店に並んでいるのを確認するだけで楽しいからだ。

ちなみに先日の放送では田中角栄氏の人生を描いた作品、石原慎太郎さんの『天才』がランクインしていた。

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過去、それほど多く石原慎太郎氏の作品を読んだわけではないが、その少ない数の中でも同氏の作品では痛い目にあったことしかなく、個人的な相性の悪さを感じている。しかし、そのランキングを見て、たまには純文学の書評でも書こうかと思いたち、本棚の奥から有名作の『太陽の季節』を引っ張り出してきた。

肯定的な印象だけではないし、書いてみたら小難しい文章になってしまったのだが「こういう意見もあるのか」程度で読んで頂けたら嬉しい書評になります。どうぞ。

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太陽の季節

 芥川賞を衝撃的に受賞した石原慎太郎氏の問題作

のちに「太陽族」なる人達も現れ社会現象となった…ようなのだが今の時代の僕らが読んだとしても、何が評価されたのか正直よくわからない作品になっている。

当時の時代背景を知っていれば、当然違った感想を抱けるに違いないのだろうが、「金持ちだが育ちの悪い子供の日常」を読んでも何の感情も生まれなかったというのが本心。何を伝えたいかもわからず、何も伝わってこない。青春時代の内にひそむ暴力性の表現なのか。

しかし、若者たちの利己的な日常を描きたかったのだとしても疑問が残り、相性が悪く一冊読むのにこれだけ時間がかかったのは久しぶりだった(作品を深く理解をされている方スイマセン。当然僕の読解力不足の側面が大きいのですが)。

まさに時代と作品が適合したからこそ成り立った作品なのだろうと思う。ちなみに映画も大ヒット、弟の石原裕次郎さんが主演しました。

裕次郎ですよ。もちろん゛ゆうたろう゛ではない。

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純文学とは何か

そこまで考えた段階で、ふと『純文学』とは何なのかという疑問が生まれ調べてみた。

大辞林によると純文学とは、

1 大衆文学に対して、純粋な芸術性を目的とする文学。
2 広義の文学に対し、詩歌・小説・戯曲など美的感覚に重点を置く文学。主として明治時代に用いられた語。

と、定義づけられており、キーワードとして『純粋な芸術性』『美的感覚に重点』といった言葉が抽出される。

ではこの太陽の季節という小説に関してはどうか?

僕はこの文章から、本仮屋ユイカがニットを着て少し胸が強調されているような『純粋な芸術性』は感じなかった。

さらに本仮屋ユイカの控えめなのに一生懸命な笑顔のように『美的感覚に重点』がおかれているとも思わない。

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また、当時の時代背景がこの文章を受け入れたとしても、現在この文章を読み、そこに芸術性や美しさ、もしくは衝撃性を感じる事が出来ないのであれば、それは『純文学の文章』ではなく、当時の時代を紐解く為の『不変性に欠ける風刺小説』にしか成りえないのではないだろうか。

『不変性に欠ける風刺小説』が良い悪いではない。それは時に人々を楽しませ、時が経てば貴重な歴史資料となる。

ただし作品が優れている優れていないという尺度ではなく、『不変性に欠ける風刺小説』純文学の新人に与えられる文学賞が送られた事に対してはやはり違和感を感じてしまうのだ。むしろ本仮屋ユイカという存在が芥川賞になるべきだ。意味不明だが。

しかしながら当時から似たような論争はあったはずで、驚くべきはその論争を生みだすだけのエネルギーがこの時代のこの文章には確かに存在していたという事と、そのエネルギーが日本の国にひとつの歴史を作ったという事実なのかもしれない。

・・・なんだかすごく頭のよさそうな書評に見えて、ただただわかりにくいつまらない書評になってしまった。自分でも驚いて手が震えている。 早く下ネタを言わないと心のバランスが保てない・・・。汁仮屋ユイカ。

てか、妹の本仮屋リイナさんも可愛い。もう結婚してほしい。

てか、太陽の季節を初めて読んでからかなり時間も経っているので、石原さんの作品を、今だったら『天才』を、買って読んでみようかな。

印象変わるかもしれないですしね。それはそれで楽しみだ。

『性的人間』大江健三郎

ちなみに同じ純文学でも大江健三郎氏『性的人間』はすこぶる面白く読めた。

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表紙の絵もどこか変態性にあふれている気がする笑。

『性的人間』『セヴンティーン』『共同生活』の三作品が収録されているが、僕は表題作である『性的人間』にとんでもない衝撃を受けたことがある。

この作品の後半には<痴漢>というワードがめっさ出てきます。性に対する葛藤を<痴漢>という媒体を使い大胆に描いている作品ですね。

性に対する開放を望まぬ他人を巻き込む作品なのでエッジが効いていて、今だったら少し問題になるかもしれない勢い。若干、太陽の季節に似た印象もあるが、僕はこの作品の方が本質的で面白さを感じる事ができた。これはこれで単独の書評をそのうち書かせてもらおうかなと思っている。

でも純文学って結局よくわからないですよね。『考えるな感じろ』って事かもしれませんね。

Don’t think!Feel!!あはん。

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