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フォレストラバー

気になることや好きなことを淡々と

初めての"社長”は60分で終わってしまった

青春ノイローゼ-バカ 青春ノイローゼ アピュラ(著)

今から10年前、私は疲れていた。そんな私に面と向かって「社長向いてない」と指摘した女性がいた。当時はナニクソ!と思ったが、自分自身を振り返るきっかけを作ってくれた彼女には感謝しかない。

 

-10年前-

当時勤めていた会社は女性が8割を占める女社会。周囲に話せば羨ましがられることもあったが、実際はキツかった思い出ばかり。

特に嫌だったのが女性社員の男に対する異様な敵対心。直属の上司(これも女)はさらに酷く、トラウマでもあるの?というレベル。

「仕事が遅すぎ」 ⇒ 女性社員と同じかむしろ早い
「こんな企画ダメ」⇒ 1週間後に女上司自身も同様の企画を提案
「昼休み長すぎじゃない?」⇒ 60分休憩を少し早めに切り上げて45分程で戻っても
「みんな仕事してるのによく帰れるね」⇒ と言ってる時間は既に23時
という具合に、怒る必要ないことまでネチネチ男性社員に噛み付く日々。

社長も女性で、その女上司の振る舞いに目を瞑り、私含む男性社員は肩身の狭い思いを強いられていた。

そんな日々を打破したくなり、私はある行動に出ることを決断する。

 

突如社長に

「平、課長、部長、社長の4つのコースがございますが、本日はどちらをご希望でしょうか?」と、髪を金色に染めたお兄さんが丁寧に案内してくれた。

ここはオトナの社交場”イメージクラブ”

現実の私は平中の平。ここでそれを選ぶのもどうかしてる。かといって、課長、部長のステップアップも魅力的に映らない。

狙うは当然・・・

「じゃあ、社長で」

こうして、現実には起こり得ないポジションをお金の力でモノにした。料金は少し高くついたが、後悔はない。

「直ぐに可能なのがA子さんで、15分ほどお待ち頂ければB子さんも可能です」
写真で見る限りどちらも悪くないのでA子さんを指名した。

するとチェックシートのようなものが渡される。
ふむふむ、なるほど。
要は相手キャラの設定や希望の展開などを書き込むシートだった。

ふと、会社の女上司の顔が浮かぶ。そういえば指名したA子さん、どことなく女上司に似てるな…。

これに何の意味もないことは分かっていたが、私はA子さんをM秘書設定にすることにした。

 

初の社長は・・・

スタッフに案内された部屋に入ると、大きなデスク、THE・社長椅子、引き出し、観葉植物とそこそこの設備。

 

待つこと3分。

 

A子さん、いやA秘書が入ってきた。

社長、おはようございます!

既に役者モードに入っているA子さん。

私は社長と言われたことと、A子さんのガチ演技に少し笑ってしまった。A子さんは構わず話を続ける。

これ明日の会議資料です。チェックしていただけますでしょうか?

と、バインダーを渡される。

中を開けると、Excelでテキトーに作った歪な曲線が数本描かれてるだけのペライチ。これでどんな会議になるんだろう?という疑問が少しずつ笑いに変わってくる。

問題なければ印鑑をお願いします。

まあ、問題というかツッコミどころ満載だけど、ここは合わせるべきと考え、印鑑がどこかにあるのかな?と机の上を探していると・・・ 

シャチハタでもいいですよ♡ 

と、イソジンの臭いと共に耳元で囁いてくる。

 

え?

いや、まさかとは思うが・・・
この流れはもしや・・・

 

A子さんに質問してみる。

 

ワイのシャチハタ? 

はい!

・・・

まさかここで中二レベルの下ネタが出てくるとは…。
次第に笑いを堪えるのが厳しくなってくる。

それでもA子さんは演技を続けるが、その後も時折出てくる中二レベルの下ネタオンパレードにより、私はついていくことができなくなった。

そんな私に対すると苛つきと時間の都合だろうか?A子さんのキャラが突如急変する。

あの~・・・もう時間ないのでズボン脱いでもらっていいですか?

説明が遅れたが、【社長コース】は社長という権力を活かし、お気に入りの秘書とチョメチョメできるコース。和はこの設定を無視してA子さんの演技に笑ってしまい、全く先に進めていなかったのだ。 こんな頼りにならない社長は願い下げということ。

印鑑の話でタイムロスしてしまっていたようで、A子さんの苛つきも最高潮に達した。

あー(怒)まだ?もう手でいい?

と、最後はタメ口に変わっていた。
全てが終わった後、A秘書から私へ貴重なアドバイスが。 

社長コース向きじゃないから次は平にしときな

あっ、はい。。。

部屋を出る頃には上下関係が逆転していた。  

 

こうして私にとって初めての社長体験は、僅か60分で幕を閉じることになった。

ゲーテ 美しすぎる秘書たち2017

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