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濃い性描写が楽しめる一般小説【11作品】

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※2017年9月13日更新

はじめに

「AVよりも映画のエロシーンの方が興奮できるんだぜ」といいながら、『インビジブル』という透明人間になる映画を僕に貸してくれた学生時代の友人である大賀君の事をふと思い出した。確かにあの映画は微妙にエロかった。 

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大賀君の言うとおり、エロ目的で作られたAVよりも、芸術作品がエロい方がエロいと感じることが多い。これは、女性用水着と女性用下着の違いによく似ている。隠れている肌の面積は同じでも、初めから見られる前提で作られている水着姿よりも、本来は目に触れないであろう下着姿の方が興奮できる

 

つまり、初めから手に入るエロよりも一般小説なのに性描写が攻めている作品の方がヌき・・・”自分磨き”しやすいのは間違いない。そこで、今回は性描写で興奮できる”一般小説”を紹介していきたい。ただし、むき出しの表現で規制を受けるような作品ではなく、あくまでも文章として面白く、かつ興奮できる作品に限定している。

 

エロけりゃいいってもんじゃない!!”自分磨き”のあとの賢者タイムでも面白くて読み進められる作品こそ至高の作品なり。

 

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ルール

  • 実際に読んで面白かった作品をまとめとして紹介(ランキングではなく順番はランダム)
  • 現在個別ページがない作品もいずれ個別ページを作成し、映画、ドラマ、漫画、アニメなど、他の媒体になっているなどの詳細情報はそちらに
  • 基本的には良い部分をフォーカスする。気になった点は個別ページに書く。あらすじは引用させてもらう。
  • 重大なネタバレはしないが、見たくなかったり長い記事読むのが面倒だったら目次で飛んで欲しい。

 

新しい作品との出会いのきっかけになれば嬉しく思う。

 

 

 

よみがえる百舌 (百舌シリーズ)  #逢坂剛

よみがえる百舌 (百舌シリーズ) (集英社文庫)

元刑事が殺された。後頭部を千枚通しで一突き。伝説の暗殺者、百舌の手口だ。闇の彼方から百舌が帰還したのか?それとも、警察の汚濁に基づくあの事件を知っている者が始末されていくのか?いまわしい記憶に怯える女刑事・倉木美希の前に第二の殺人が起こる!野に下った大杉良太も友のために立ちあがる。警察の腐敗を告発し、サスペンスの極限に挑む逢坂剛の大ヒットシリーズの最新長編。(引用:amazon)

感想

百舌シリーズの4作目で、ドラマ『MOZU』シリーズの原作本にあたる。テレビドラマは殆どエロ要素はなく素晴らしい完成度だったのだが、原作は結構エログロイ場面が登場する。個人的には前作『砕かれた鍵』からの流れがあまりにもショックすぎて読むのにえらい苦労した作品だ。主人公の美希が終始発情してるように感じる作品で、人によっては逆に冷めてしまう人もいるかもしれないのだが、作者の逢坂さんの女性への願望を形にしているようにも見えるので優しい目線でエレクトしてほしい。それでも黒幕と百舌の正体に関しては最後まで予断を許さない緊張感で読めるので、性的な目線ではなく話としてしっかりと面白い。

 

 

 

大人のための残酷童話 #倉橋由美子

大人のための残酷童話 (新潮文庫)

超現実的なおとぎ話こそ、同情も感傷もない完全に理屈にあったもので、空想ではありません。そこにあるのは、因果応報、勧善懲悪、自業自得の原理が支配する残酷さだけです。この本は、ギリシア神話やアンデルセン童話、グリム童話、日本昔話などの、世界の名作童話の背後にひそむ人間のむきだしの悪意、邪悪な心、淫猥な欲望を、著者一流の毒を含んだ文体でえぐりだす創作童話集です。(引用:amazon)

感想

『聖少女』で有名な倉橋由美子さんが贈る剥き出しの童話。そして剥き出しの教訓を授けてくれる物語で、ブラックユーモアに溢れた作品集だ。元ネタになる童話を知っていないと100%楽しめないかもしれないが、知らない話でもエロスとグロテスクとユーモアが感覚を刺激してくれる。現実にはエロい場面を経てから物語が進む方が自然に思えるシチュエーションも多いので、強引なエロスではなく必然的なエロスに感じた。そして何よりも、それぞれの物語にはしっかりとしつつも皮肉が効いた教訓も盛り込まれているので中高生くらいで読んでもいいのかもしれない。「一寸法師の恋」「子供たちが豚殺しを~」「鬼女の島」「異説かちかち山」が個人的な好みだった。程よい毒っけがあるのでずっと浸っていたい。

 

 

 

果てしなき渇き #深町秋生 

果てしなき渇き (宝島社文庫)

元刑事・藤島秋弘のもとに、失踪した娘の加奈子を捜してほしいと、別れた妻から連絡があった。家族とよりを戻したいと願う藤島は一人、捜査に乗り出す。一方、三年前。中学生である瀬岡尚人は手酷いイジメにあっていた。自殺さえも考えていたところを藤島加奈子に救われる。彼は彼女に恋をし、以前、彼女がつきあっていた緒方のようになりたいと願うようになるが…。二つの物語が交錯し、探るほどに深くなる加奈子の謎、次第に浮き彫りになる藤島の心の闇。用意された驚愕の結末とは―?『このミステリーがすごい!』大賞第3回受賞作。(引用:amazon) 

感想

僕みたいなドM野郎は興奮できる作品。そして暴力、性衝動、ドラッグに溢れ、救いだけが極端に少ない問題作でもある。主人公・藤島の父親や刑事としてのクズっぷりも、ここまでくると清々しくすら感じられるのが不思議だ。もう一人の主人公である瀬岡にはもう少しマシな結末を迎えてほしかったが、そのヘドが出る胸くそ悪さもこの作品の味なのだと思う。”自分磨き”しやすいエロスではないが、沸騰したような興奮状態が味わえるエロスとグロさがあり、正にしろ負にしろ感情が揺さぶられる作品であることは間違いない。

 

 

 

性的人間 #大江健三郎 

性的人間 (新潮文庫)

性に耽溺し、政治に陶酔する右翼少年の肖像『セヴンティーン』。痴漢をテーマに“厳粛な綱渡り”という嵐のような詩を書こうとする少年と青年Jを主人公に、男色、乱交などあらゆる反社会的な性を描き、人間存在の真実に迫る問題作『性的人間』。現代社会の恐るべき孤独感を描いた『共同生活』。政治的人間と性的人間との交錯に、60年安保闘争前後の状況を定着させた3編を収める。(引用:amazon) 

感想

芥川賞作家であり、ノーベル文学賞受賞者でもある大江健三郎の作品で3つの物語が納められている。『性的人間』社会性を排除した性の解放について語られた作品。前半と後半に分かれており、前半は別荘での乱交パーティーをぼかしつつ淫靡に、後半では痴漢願望の本質がむき出しに描かれている。性の解放自体は非常に興味があるが、「痴漢」という媒体を使い、開放を望まぬ他者を巻き込むことで、エゴなエッジが効いている気がする。『太陽の季節』に似た印象もあるが、この作品の方が本質的で面白さを感じた。エロティックではないが、この本に収録されている他の2作品『セブンティーン』『共同生活』に関しても自尊心と異常性と変態性が突き抜けているので読む価値が高い。 

 

 

 

ふがいない僕は空を見た #窪美澄 

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度か○ックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが――。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R-18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。(引用:amazon) 

感想

山本周五郎賞を受賞した窪美澄(くぼ・みすみ)作品。内容や性描写はエグイが、命というテーマはとても美しい物語。高校一年生の男子が主婦とコスプレしながら逢瀬を重ねるが、その盗撮映像が動画投稿サイトから流出してしまう。直接的な性描写が激しめではあるが、猟奇的ではないので安心してページはめくれる部分は好感触。そしてその直接的な性描写を女性作家が描いている所がゾワゾワしてテンションが上がる。性に対する欲望と命の誕生は切り離せないもののハズなのに、その両者の印象に開きが生じる矛盾を考えさせられる。 

 

 

 

東京島 #桐野夏生

東京島 (新潮文庫)

32 人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か? いつか脱出できるのか――。欲を剥き出しに生に縋りつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読む者の手を止めさせない傑作長篇誕生!(引用:amazon)

感想

『グロテスク』『OUT』でお馴染み、沈むような心の描写をする桐野夏生さんの作品。AVで例えれば「転校したら男は僕一人ぼっちだった」の性別逆転バージョンのような状況を重く描いている。直接的な性描写がすごい訳ではないのだが、俗にいうシチュエーション萌え的な興奮がある。32人の男と1人の女で、ワッショイワッショイなんて展開にはならず、女性のしたたかさや強さが見え隠れする展開だ。登場人物たちは欲望によって行動していくが、最終的には理性によって捻じ曲げて史実が作られているので、大きくとらえると歴史の伝わり方についての皮肉を作品に込めているように思える。アナタハンの女王事件をモチーフに創作されており、作品としても抜群に面白いのでオススメだ。

 

 

 

家族八景 #筒井康隆

家族八景 (新潮文庫)

幸か不幸か生まれながらのテレパシーをもって、目の前の人の心をすべて読みとってしまう可愛いお手伝いさんの七瀬――彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄ってマイホームの虚偽を抉り出す。人間心理の深層に容赦なく光を当て、平凡な日常生活を営む小市民の猥雑な心の裏面を、コミカルな筆致で、ペーソスにまで昇華させた、恐ろしくも哀しい本である。(引用:amazon)

感想

『ロートレック荘事件』『パプリカ』で有名な筒井康隆作品。この作品は性描写が激しい訳ではないのだが、主人公・七瀬はテレパシーで相手が自分を裸にするイメージが見えてしまう。初めて読んだのは中学生の時だったので、相手に想像の中で裸にされるエロチズムに衝撃を受けたので、未だに性的な印象が強い作品だ。人の強い欲望や汚い部分が見せつけられるが、小さな救いもあり、現実的なSFという印象を受けるのは一貫して一般人の心理描写がなされているからだと思う。それよりも何故僕の親は、中学生の僕に対してこの本を読むように勧めたのだろうか。未だにわからない。

 

 

 

春狂い #宮木あや子

春狂い (幻冬舎文庫)

人を狂わすほどの美しさを内包した一人の少女。父親や男たちの欲望から逃れ女子校に入学するが、教師に襲われ学園を去る。しかし転校先でも同級生からのいじめと教師からの暴行は繰り返され――。やがて少女は安息を求め、教師の前でスカートを捲り言う。「私をあと二年、守ってください」。桜咲く園は、天国か地獄か。十代の絶望を描く美しき青春小説。(引用:amazon)

感想

性描写は激しいが、興奮というより虚脱感という言葉がピッタリな凹み系性描写の作品。ある少女の辛く悲しい半生のが語られるのだが、エロさとグロさが等分で同居しているような表現が多いので、読んでいてもあまりいやらしい気持ちにはなりにくいかもしれない。愛情も憎しみも、相手に対する強い依存であることに変わりはないので、コインのようにひっくり返ることに共感を覚えた。全体的に抽象的な表現で描かれている場面も多く、場面が頭に入りにくく読みにくかったので注意して読んで頂きたい作品。

 

 

 

ノルウェイの森(上下) #村上春樹

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと―。あたらしい僕の大学生活はこうしてはじまった。自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同じ学部の緑。等身大の人物を登場させ、心の震えや感動、そして哀しみを淡々とせつないまでに描いた作品。(引用:amazon)

感想

村上春樹の傑作小説であるのと同時に性描写が激しい小説としても有名。ただし、激しい剥き出しのエロスではなく、性と音楽が寄り添った静謐さから生まれるエロティズムを感じさせてくれるので、文学の奥深さを体験できる作品だと思っている。美しく悲しい物語なので興奮度は低いが、その中でもヒロインが主人公に出会ったときから濡れていた話と、31歳の女性が13歳の嘘つき美少女にあんな事やこんな事をされた体験を語る場面に艶めかしい感覚を味わえる。ずっと読んで浸っていたくなる中毒性を持っている名作なので是非。 

 

 

 

○○○○○○○○殺人事件 #早坂吝

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

アウトドアが趣味の公務員・沖らは、フリーライター・成瀬のブログで知り合い、仮面の男・黒沼が所有する孤島で毎年オフ会を行っていた。沖は、今年こそ大学院生・渚と両想いになりたいと思っていたが、成瀬が若い恋人を勝手に連れてくるなど波乱の予感。孤島に着いた翌朝、参加者の二人が失踪、続いて殺人事件が!さらには意図不明の密室が連続し…。果たして犯人は?そしてこの作品のタイトルとは?(引用:amazon)

感想

メフィスト賞受賞作にして盛大なくだらなさを楽しめるタイトル当て本格推理小説。史上最もHな探偵と称される上木らいちシリーズで援助交際をしまくるらいちのサバサバした貞操観念に好感が持てる快作。性描写が攻めているだけではなく、推理小説としても楽しめて、さらに笑いの要素に溢れた作品なのでぜひ読んでみてもらいたい。一応、おすすめポイントを書いておくと、物語の語り部・沖とらいちが身体を重ねる描写がめちゃくちゃエロい。終盤では大きな大逆転と笑えるトリックが待っているので寛容な心で手に取ってもらいたい。ちなみに続編の短編集『虹の歯ブラシ-上木らいち発散』もエロい描写だらけだったりする。 

 

 

 

ギンイロノウタ #村田沙耶香

ギンイロノウタ (新潮文庫)

極端に臆病な幼い有里の初恋の相手は、文房具屋で買った銀のステッキだった。アニメの魔法使いみたいに杖をひと振り、押入れの暗闇に銀の星がきらめき、無数の目玉が少女を秘密の快楽へ誘う。クラスメイトにステッキが汚され、有里が憎しみの化け物と化すまでは……。少女の孤独に巣くう怪物を描く表題作と、殺意と恋愛でつむぐ女子大生の物語「ひかりのあしおと」。衝撃の2編。(引用:amazon)

感想

性描写を堪能できる小説であるのは間違いないのだが、そこは村田沙耶香作品なので常識の斜め上をいくグロテスクさとエロチシズムが同居している印象の作品。例えば、チラシに載っている男性の目の切り抜きを天井にびっしり貼り付けたりだとか、想像の中での殺害描写などに関しては驚くほどグロテスクなので読む際は注意してほしい。ただし、主人公の女の子が身体を求められて淡々と行為に及ぶ描写はゾクゾクするし、押入の中での永遠と続いていく自慰行為アイスクリームを使った〇ックス描写は結構やばい。電車で読んでいると凄いいけない事をしているようで興奮する作品、笑。 

 

 

  

最後に

いかがだっただろうか?”自分磨き”に使えそうな作品はあっただろうか?

 

エロティックな文字の羅列はあくまでも表現したい事への手段であって目的ではない。理想は、作品としての興奮と性描写の興奮が交じり合い高めあうことであるのは間違いない。それでも文章の楽しみ方は人それぞれだ。手段を目的と捉えて小説のエロい部分だけにフォーカスして楽しむ付き合い方もあってしかりだ。

 

様々な角度から本を読んで”自分磨き”をして、いざ素敵な賢者タイムへ!!