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後輩の失敗談を会社中に広めた話

 

ウチの会社の後輩には井川くんという変り者の男がいます。

 

 

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彼は変人で、性格の特徴を一言であらわすと、

 

  • 自信過剰
  • 自己中心的(無自覚)
  • 周りが見えない
  • 自分の判断で勝手に動く
  • ナルシスト

 

さらに女性に対して微妙に上から目線で接する男です。

 

と、

 

まったく一言であらわしてないんですが、ついでに言ってしまえば25歳にしてソフトデブです。デブではないですよ、ソフトデブなだけです。 

 

言葉で表すと上記のようにどうしようもない奴なんですが、実は心の優しいヤツでもあるので、自己チューで視野が狭い部分に目をつぶっていれば嫌な奴ではないのです。また単純な性格をしているので、どうにも嫌いになれないところが対人関係の面白いところなのかもしれません。

 

彼の失敗談を会社中に広めた話をする前に、彼の変人ぶりについて話しておきたいと思います。彼は仕事中にもその変人ぶりを発揮します

 

 

変人の井川くん 

先日、上司が井川くんに仕事を頼みました。言われたことをそのままこなせば良い簡単な仕事です。しかし彼はその言いつけを守らず、内容を自分だけの判断で勝手に変えてしまい、さらにその事を上司に報告せずにいたことで、社内がプチパニックになったことがありました。 

 

自分の頭で考えることは大切ですが、上司に相談することもとても大切なことです。そのことで彼は上司に大声で怒鳴られて怒られていたのですが・・・

 

彼は何故かニヤニヤしているんです

 

当然、上司はその事についても叱ります。 

 

 

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「お前、何で怒られてる時にニヤニヤ笑ってんだ!叱られていること、わかってんのかっ!」

 

 

 

当然の指摘です。その事に関して井川くんは、

 

 

 

 

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「僕はツライときこそ笑うようにしてるんです!」

 

 

 

とキメ顔で答えてました。やだ、この子カッコイイ!

 

 

そんな名言の間違った使い方をする彼ですが、付き合いが長くなるにつれて情は沸いてくるもので、彼の単純な性格にも慣れてプライベートでも飲んだりする良い間柄です。ただ、先日どうしても許せないことがありました。

 

 

 

ハーフマラソンと井川くん

 

先日のことです。社畜である僕は、社長の付き添いで井川くんと共にハーフマラソンを走ることにり、一緒に20kmの道のりを走ることになりました。走る前の井川くんは自信過剰・・・自信満々でした。

 

 

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「まー大丈夫っす。20kmなら自分はヨユーだと思いますよ」

 

 

ソフトデブのくせに井川くんは自信たっぷりなビックマウスをかましまくっていましたが、軽快に走りはじめて2キロを過ぎるとズルズル後退し、4キロを過ぎてから振り返ると完全に視界から消えていました

 

結局、彼は僕がゴールをしたあともしばらくゴールせず、最終的に2時間オーバーで半死半生の状態でゴールテープを切っていました。完走は素晴らしいんですけど、走る前に偉そうなことを言っちゃうから素直に誉めたくなくなっちゃうんですよね

 

そして、井川くんは先に到着していた僕のところへ、肩を揺らしながらやってきたんですが・・・なんだか彼の服装に違和感を感じるんですよね。なにが違和感かを突き止めるために身体を観察したのですが、どうやら走る前は真っ白だった彼のTシャツの胸の乳首のあたりに円形に血がにじんでいるようなんです。真っ白いTシャツに円形の赤。

 

 

そうなんです。井川くんが乳首から流血することで、ただの白Tシャツがまるで日本代表のようなデザインに変わっているのです。

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走る前はただの白Tシャツだったのに、走り終わったら日本代表になっているとは、井川くんは流石です。でも、血が出てるのであれば治療もしなければいけないので、放ってはおけません。

 

 

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「井川くん、どうやら乳首から血が出てるみたいだよ?」

 

 

僕はそのことを井川くんに伝えてみました。すると、

 

 

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「いえ、出てないと思いますけど」

 

 

と、何故か彼は自分の乳首から血が出ていることを認めようとしません。

 

 

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「いや、でも血が出てるから何とかした方が良いよ」

 

 

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「いえ、こういうデザインなんですよ」

 

 

頑なに認めない井川くん。

 

おそらく乳首から血が出ることが格好悪い事だと思っているようなのです。だから絶対に認めようとしないのです。頑なに認めない彼と話をしていたら段々と僕も腹が立ってきました。

 

 

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「いや、違うでしょ!だって血が出てるんだから!」

 

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「いやぁ~走り出したときからこうでしたけどね」

 

 

コイツ、走っている最中に日本代表みたいになったくせに、初めから日本代表だった事にする気だ!

 

なんて奴だ、と僕は怒って彼が走り出す前にSNS用に撮った写真を見つけ出して突き付けました。するとようやく、

 

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「あ 本当だ。血が出てますね。まぁ、ハイ」

 

と、しぶしぶ認めた彼は何事もなかったかのように更衣室に着替えをしに行ってしまいました。そんな彼のリアクションとプライドの高さに、僕は妙にムカッ腹が立ってしまい、この

 

井川の乳首流血事件

 

を、その日の夜のうちに口の軽い会社の同僚数人に伝えてみました

 

 

 

会社中に轟く流血事件

するとどうでしょう。翌日には会社の全ての支店にその事件が伝わっていました

 

なんだったら井川くんがハーフマラソンを走り切ったことよりも、乳首から流血したことの方が知れ渡っている状態です。マラソンの翌日、僕は外回りで一日会社にいなかったので聞いた話によると、

 

  • 流血の井川
  • 乳首ならぬ血首
  • 日本代表野郎

 

など、井川くんは多種多様ないじられ方を一日中されたそうです。

 

 

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「なんで会社で広めるんですか?ヒドイじゃないですか!!」

 

 

さらに翌日、結構な剣幕で僕に近づいてきた井川くんは、顔を真っ赤にしてさらに僕を問い詰めてきた。

 

僕の行動は彼の無駄なプライドを傷つけたらしい。

 

まずいな・・・

結構怒っているな・・・

謝ろうかな・・・

 

と思ったものの、とりあえず誤魔化せるところまで誤魔化そうと、「まぁ落ち着きなよ」なんて言いながら彼を諌めつつ僕は立上り、こんな風に切り出してみた。

 

 

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「会社で話したのはね、井川くん。君がとてもマラソンを頑張っていたからなんだよ」

 

 

そう言うと、僕はさっき入れたばかりのホットコーヒーのカップを手に持った。そのまま窓際へゆっくりと歩き、外の景色を見ながら続けました。

 

 

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「君が完走できなかったり、もっと大きな怪我をしていたら、とてもふざけてなんかいられないよね」

 

 

 

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「けど乳首から血が出てるぐらいだったら、みんなも冗談として笑えるんだ。キミが頑張ったからはじめて冗談になれたんだよ?」

 

 

僕は振り返ると真っ直ぐな瞳で井川くんのことを見つめます。

 

 

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「君が頑張ってなかったら、そんな話は出来ないよ。井川くん…本当に…よく頑張ったね。」

 

 

もう穴だらけの理論。

 

というか、良いこと言ってる風の空気感だけで、中身スカスカなんですよね。正直、いいわけにすらなっていないいいわけですし、井川くんは噂を広めた事を怒っているのに、全然関係ないことを適当にペラペラ喋っているだけでは火に油を注ぐようなものかもしれない。そもそも、自分で言っていて意味があまりわからないので、流石にごまかせないかなぁ・・・と思っていたのですが、井川くんは

 

 

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「いやあ 僕頑張りましたからね♪」

 

 

と言いながら嬉しそうに左右に揺れていました

 

 

 

 

・・・簡単すぎる。

 

 

 

 

井川君は何故こんなに簡単なんだろう。マリオの1-1よりも、それはもう遥かに簡単な男だ。イタイ部分もたくさんあるけど、僕は彼の事が結構好きだ

 

 

 

ちなみに

 

「僕はツラいときほど、笑うようにしてるんです」

 

と言っていた井川くんでしたが、マラソンの本番中には一度も笑っていなかったことも社内に広めておきました。がんばれ井川くん!!!