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早坂吝『○○○○○○○○殺人事件』感想文:史上最もHな探偵と呼ばれる上木らいちのエッチな魅力をぶっかける!

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

すぐに股を開くいやらしい女性が探偵小説の主人公でもいいと思う。

 

アガサクリスティーの小説に登場するミス・マープルや森博嗣のVシリーズで活躍する瀬在丸紅子など、古今東西の推理小説の世界に女性探偵がいないわけではない。しかし、男性が主人公のハードボイルド探偵小説では女性登場人物を簡単に抱いているにもかかわらず、女性が主人公の場合そのような“探偵の性”の要素は簡単には登場しない

 

理由を考えてみると、男性の中には容易に身体を許す女性に対して軽蔑に近い感覚を持っていることが多く、対して推理ファンから見た名探偵というのは憧れの対象であるため、両者が同一の存在として受け入れがたいからではないかと思う。

 

また、性行為とはつまり"野生"、対して推理とは"理性"だ。

 

そのように『軽蔑の対象=名探偵』もしくは『野生=理性』という方程式を認められない人間がいるために、あえてそのキャラクターを避けるのではないだろうか。

 

が、しかし。

 

そういった考え方にズッポリと 挿入 風穴を開けるような、Hな女性探偵が登場する推理小説がある。今日は史上最もHな探偵が登場する早坂吝『○○○○○○○○殺人事件』のネタバレ感想と紹介をしていきたいと思う。

 

 

 

『○○○○○○○○殺人事件』 

 

 

あらすじ

アウトドアが趣味の公務員・沖らは、フリーライター・成瀬のブログで知り合い、仮面の男・黒沼が所有する孤島で毎年オフ会を行っていた。沖は、今年こそ大学院生・渚と両想いになりたいと思っていたが、成瀬が若い恋人を勝手に連れてくるなど波乱の予感。孤島に着いた翌朝、参加者の二人が失踪、続いて殺人事件が!さらには意図不明の密室が連続し…。果たして犯人は?そしてこの作品のタイトルとは?(amazon)

物語のあらすじはクローズドサークル系の中でも一番あるあるな「孤島系」の作品で、主人公の沖は特に探偵行為をするわけではなく、そのオフ会の参加者の一人である上木らいちが探偵役として事件の真相に迫る。とはいえ、全体的に脱力したような文章なので、クローズドサークル特有の緊迫感は薄く、ゆったりとした気持ちで読んでいくことが出来る作品なのでご安心を。

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感想

この作品は “読者への挑戦状” があるタイプの読者参加型の小説で、一般的な挑戦状は犯人当てやトリックを解明することが目的とされるが、この作品はそのどちらの必要もない。

 

ここで問われている内容は「タイトル当て」という一風変わった挑戦状となっており、タイトルの○○○○○○○○殺人事件』○の部分(8文字)に入ることわざを当てることが目的となっているのだ。その時点でかなり特殊な小説であることがわかる。

 

実際問題、この作品では犯人当てやトリック当てをするには少々(というよりかなり)アンフェアで開示されていない情報が存在するので、そもそも無理ゲーならぬ無理小説となっている。ゆえに犯人やトリックは横において、この〇〇にぴったりのことわざを連想出来るかどうか?問われているのはその一点のみというわけだ。

 

そして、この小説のもう一つの大きな特徴として、ついつい笑ってしまうような“エロ要素”を含んだ面白さMAXな推理小説であることが挙げられる。

 

 

エロい上木らいちの魅力

何がエロいかと言えば、当然、探偵役の上木らいち本人がエロい

 

一応付け足しておくが表紙もエロい。講談社文庫の本の表紙こそ普通な感じだが、講談社ノベルスの表紙がエロ本みたいに超エロい。

 

講談社文庫版↓↓↓

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

 

講談社ノベルス版↓↓↓

○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)

えっろ。エロいけど、買うのを躊躇してしまう表紙だ、笑。だから文庫版では普通の表紙にしたのかもしれない。

 

本人の話に戻るが、そのエロさの原因はとても単純で、登場人物たちとすぐヤっちゃうことに尽きる。

 

らいちは登場人物の成瀬の恋人として登場し、孤島のオフ会に参加する。その孤島に行くための船の中で、らいちが行きずりの二人組といきなり3Pをする声を主人公の沖が聞いてしまう描写がある。まったく うらやましい けしからん展開だ。

ベッドが軋む音、そして喘ぎ声……。

らいちの声だった。

あいつ――何やってるんだ!

彼らは元から面識があったのか?それとも行きずりの関係なのか?いやそんなことどちでもいい。

成瀬さんという人がいながら他の男とするなんて――それも旅先で――三人で――まったく理解できない。(本文より)

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探偵役にもかかわらず行きずりの男たちといきなりヤっちゃうなんて・・・。もちろん行きずりの男だけではなく、物語の終盤では、語り手である沖もヤっちゃう。結構生々しいけどちょっと引用してみよう。

 

俺たちは知り合って三日目とは思えないほど密着し、唇と舌を貪り合った。

らいちは素早くしゃがみ込んで〇ェラチオを始めた。左手で自分の股間を触りながら右手を俺の肛門に伸ばしてくる

そこは初めてだったので精神的な抵抗はあったが、実際のものはスムーズに俺の中に入ってきた。人差し指と中指だ。(本文より)

 

いや、もうこれフランス書院だぜ。

 

しかも初っ端から沖のホールを攻めるらいち。さらにこのあとがもっとエロイのだが、さすがに全てを書いてしまうと18禁サイトと化してしまうので割愛するが、この開放的なエロスはオッサンになっても 股間に 胸にくるものがある。僕の身体の神秘も解き明かしてもらいたいものだ。

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くだらなさと同居する論理性と伏線

この作品、全体的には「くだらねぇ!笑」と、良い意味で笑ってしまう小説なのだが、実は緻密な伏線と読み返してみると納得せざるを得ない論理性が存在している。

 

例えば、登場人物たちが沖に対してよく言っている「南国モード」という言葉。主人公の沖はある条件が整うと性格が変わるという特殊な癖を持っている人物(終盤までその説明はない)だが、島に到着してからは「南国モード」になり、語りの一人称がすべて“俺”に変わっていたりする。

 

あと、これは作品全体のネタバレになってしまうので明言は避けるが、作品を通した大きな叙述トリックのようなものがあるので、それらを敏感に感じ取ろうとするのもこの作品の楽しみ方の一つかもしれない。

 

また、男性の登場人物のおチン棒が包茎かズル剥けかなんていうことが、物語の核心を突くトリックに繋がっていたりするから、他にはない面白さがある。いや、読んでるとくだらないんだけどね、笑。でも笑っちゃう。

 

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虹の歯ブラシ 上木らいち発散

ちなみに、上木らいちが主人公の作品は他にも発売されている。そのうちの一冊がこの『虹の歯ブラシ 上木らいち発散』という短編集だ。

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社ノベルス)

 

この作品では、らいちが毎日違った相手と援助交際(といってもそんな安っぽいものではなく、愛人契約といった感じ)をしつつ、謎を解き明かしていくというかなり変わった内容になっている。

 

謎と解くために相手のイチモツを咥えたり、イカくさい液体をかけられたりと、上木らいちのエロい存在感は健在だ。『○○○○○○○○殺人事件』を読んで気に入ったのであれば手に取ってみる価値はあると思う。 

 

 

最後に

Hな女探偵という存在は一度受け入れてしまえば、こんなに楽しいものはない。

 

それに、この上木らいちの性格はとても優しさに溢れているのだ!

優しくてヤらせてくれる名探偵なんて、むしろ過去最高の名探偵じゃないか!!

 

と、なんだか興奮してしまったが、1発五万の援助交際名探偵・上木らいちの活躍はこれからも続いていくに違いないということを伝えたいだけなのだ。