桜色舞うころに思い出す大林君とホセ

Facebookのタイムランを眺めていたら旧友の大林君が結婚したことを知った。結婚をFacebookで知るというのが今っぽい。

大林君は大学入学後、10歳年上の女性ミュージシャン(自称)と同棲するため、19歳で家を出ている。その後は消息不明だったが、数年後にmixiで発見。大林君はmixiで痛々しい投稿を連投し、ある意味ロックなダイアリーを綴っていた。(寒気がした)

そんな大林君との思い出は限りなく少ないが、少ない分しっかりと覚えている。
今回は少ない思い出の一つ『黒歴史』を語りたい。

君が思い出になる前に

確か友人数名で買い物へ行った日のこと。

買い物を終えてカラオケに行くことになったが、休日の影響でどのカラオケも満室。諦めて帰ろうとした時、明智君(※1)が「個室ビデオ鑑賞行かない?」とゲス顔で話を持ちかけてきた。

いや、このタイミングはないでしょと思ったが、大林君が「いいね!一回行ってみたかったんだよ!」と乗り出したので「やっぱ個室ビデオだよね」と空気を読んで一緒に行くことに。

大林君は初めての個室ビデオに深く感動していた。「スゲー」「全部見たい」まるで夢の国へ来たように目をギラギラ輝かせ、作品を次々にカゴへ入れていく。

そしてレジでの受付時、大林君は時間内の作品変更可能なお得パックプランを選び、会計を済ませる。「では、こちらになります。」スタッフから渡された大林くんのリモコンを見ると【204】の番号が見えた。

「じゃあ、先に行(イ)ってるね」とその場を離れる大林君。そして私の番。会計を済ませると【205】のリモコンを手渡された。そう、大林君の隣の部屋。

部屋といっても大きなリクライニングチェア一つで壁は薄い。少し嫌な予感もしたが、ヘッドホンを付けてれば問題ないだろうと部屋に入る。しかし、入って直ぐに隣から

スコンスコンスコンスコン(ギィ〜)スコンスコンスコンスコン(ギィ〜)スコンスコンスコンスコン(ギィ〜)スコンスコンスコンスコン(ギィ〜)スコンスコンスコンスコン(ギィ〜)

※(ギィ〜)・・・リクライニングチェアが動く音

大林君は既に攻勢に出ていた。

約1分後、音はピタリと止まり「んっんん。」と咳き込む大林君。しばらく何も聞こえなくなるが、約10分後にまたスコンスコン聞こえてきた。早っ、、。

結局大林ルーティンを計3回聞くことになり、全く作品に集中出来なかったことを覚えている。

個室ビデオ店から出ると、既に事を済ませた明智君が大林君に向かって「お!なんかゲッソリしてるけど大丈夫?ホセって感じだぜ?」と問いかけるも、大林君は「お、おう」と返答する。しかし、相当体力を使ったことは誰の目にも明らかだった。お得パックプラン恐るべし。

という酷い思い出。

数少ない思い出が個室ビデオというのも酷いけど、今となれば大事な黒歴史として捉えたいと思う。そして、当時明智君が発した「ホセ」って何だよ?という疑問は今も解けてない。あれから何年もの間、明智君は抜き過ぎたこと=ホセと呼ぶ。なぜだろう?時間はかかるだろうけど、こちらの疑問は死ぬまでに解決しておきたい。

そんなことを桜を見ながら考えた。

※1…明智君