鹿島が逆転で浦和を下して7年ぶり8度目のJ1制覇達成!浦和レッズは最後の最後でまたもボロが出る

J1CS第2戦

明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ決勝第2戦が行われ、浦和レッズと鹿島アントラーズが対戦した。

レッズは第1戦のアウェイを阿部勇樹のPKで1-0で勝利し、圧倒的有利な立場で2戦目を迎えることに成功した。勝てば勿論、引き分け、0-1の敗戦でも年間順位によって優勝が決まる。一方アントラーズは1-0の勝利では足りず2点が必要。

試合はホームの大声援に後押しされたレッズペースで進み4分、右サイドから関根がクロスを送り武藤がスルーして高木が合わせるも、ここはアントラーズの昌子がブロック。

それでも7分、スローインを右サイドの裏で受けた高木がクロスを送ると、ファーで興梠が右足ボレーでゴール左下に蹴り込み、早くも先制に成功した。

さらに10分、右サイドで武藤がドリブルからシュートを放つもこれはクロスバーに弾かれる。26分には宇賀神のスルーパスをディフェンス裏で受けた武藤が狙うもここは昌子が懸命なブロックで追加点を許さない。

なかなかペースを掴めなかったアントラーズだったが、徐々に柴崎や金崎にボールが収まるようになり反撃を開始していく。そして40分、最終ラインからのロングパスで宇賀神と入れ替わった遠藤康が右サイドを抜け出し、利き足でない右足でふんわりしたクロスを上げると、ファーの金崎がヘッドで決めて試合を振り出しに戻す。

その後スコアは動かず前半を終える。この時点で2戦合計2-1でレッズが有利に変わりないが、アントラーズもあと1点決めればアウェイゴールの差で逆転優勝という状況になる。

後半に入って51分、アントラーズは柴崎のコーナーキックに金崎が頭で合わせるも枠の上に外れる。レッズも53分、武藤のスルーパスでエリア内左に抜け出した宇賀神が柔らかいクロスを送り中央で高木が合わせるも、ミートせずにチャンスを逃す。

アントラーズは58分、同点弾をアシストした遠藤康に代えて鈴木優磨を投入すると、レッズもいい動きを見せていた高木に代えて青木拓矢、61分には関根を下げて駒井善成を投入する。少しずつレッズの中で“ドローでもOK”そんな様相が見えてくる。

すると、徐々にアントラーズがペースを握るようになり69分、柴崎のFKに西がヘディングで合わせたが、シュートは惜しくもゴール右に外れてしまう。

71分、レッズが先制ゴールを決めた興梠に代えてズラタン、73分にはアントラーズがキャプテンの小笠原に代えて伊東を投入する。

両チームの選手交代後もアントラーズペースで進み75分、エリア内で鈴木のパスを受けた土居がシュートを放つが惜しくもクロスバーの上を叩き逆転ゴールを奪えない。しかし77分、アントラーズが自陣でボールを奪って狭いスペースでボールを繋ぐと、左で受けた山本がディフェンスラインの裏にパスを出す。このパスを鈴木が受けると、ペナルティーエリア内で槙野が後方から倒し、アントラーズにPKが与えられる。

このシーン蹴りたそうな鈴木が印象的だった。頼もしい20歳。そして79分、このチャンスに金崎がゴール左にしっかりと決め、鹿島が逆転に成功する。この時点で2戦合計2-2でアウェイゴール差でアントラーズが優勝に近づく。

優勝のためには1点が必要となったレッズは槙野を前線に上げてパワープレイでゴールをこじ開けようとするも、これといった決定機を作ることができず、試合はそのまま2-1で終了。第2戦を制したアントラーズがアウェーゴール数でレッズを上回り、7年ぶり8度目のJ1制覇を成し遂げた。

浦和レッズに対する同情と失望

今年こそレッズが優勝するものだと思っていた。毎年見られていたシーズン終盤の失速はなく、シーズンで積み重ねた勝ち点は74と、1シーズン制なら素晴らしい成績だ。レッズに関わる人が文句言いたい気持ちは十分理解できる。

しかし、アントラーズの小笠原も言ってるようにルールはルール。結果的にまたしても勝負弱いという印象を与えてしまった。

この試合もレッズの試合だった。決定機の数はアントラーズを上回っていたし、前半の早い段階で2-0、3-0になっていてもおかしくなかった。

選手のプレーに目を向けると、同点前の宇賀神、逆転のPKを与えられた際の槙野の対応など軽いプレーが目についた。また、逆転されてからの下手くそなパワープレイ、大事な試合で決められない武藤など、リーグ戦と違っていつもの試合ができないメンタルの弱さが露呈されてしまった。

あと、監督のミハイロ・ペトロビッチ。サッカーの方向性は間違ってないと思うけど、槙野や柏木など教え子に拘り過ぎじゃないかなと。今シーズン後半にMVP級の活躍を見せ、2戦目もいいプレー見せていた高木を真っ先に代えた采配、後半途中から得点力ない柏木の二列目起用、槙野のパワープレイとかなんだかなぁ。

勝負強かった鹿島アントラーズ

優勝したアントラーズは年間勝ち点が59ということで賛否両論あるだろうが、準決勝の川崎フロンターレ戦含めてチャンピオンシップだけに限定すれば十分王者に相応しい試合を見せてくれた。

昌子源は代表のセンターバックに相応しい粘りを見せてくれたし、永木も同様に中盤の争いを制した。ハリルホジッチが永木を呼ぶ理由がよく分かった。

そして前線の金崎夢生。まだハリルホジッチが許してるかどうか分からないが、2戦目で見せたプレーと決定力、熱さを考えるとやはり代表に必要な選手だなと改めて思った。

個人的には20歳の鈴木優磨が気になった。20歳と思えないポジティブなふてぶてしさ、大事な試合で結果を残すプレー、そして果てしないチンピラ感。こういう選手がどんどん出てきてほしい。

鹿島アントラーズは全チームの見本

今シーズンは途中でカイオが移籍、金崎の造反、石井監督の体調不良など後半はいいニュースが少なかったが、最後にきっちりタイトル取るのはさすが。

憎たらしい程強かった鹿島アントラーズが戻ってくるかどうかは来シーズンにならないと分からないが、勝者のメンタリティを受け継いでいく全チームの見本であることは間違いない。