マリノスがJ2降格?2017年のJ1優勝予想、ACL出場権争い、降格予想を現時点の参考材料で考えてみた

Jリーグの移籍情報も落ち着き、各チームとも2017年の体制が見えてきた。

今年は1ステージ制が復活し、J2からはコンサドーレ札幌、清水エスパルス、セレッソ大阪が昇格。選手も例年になく動いたのでシーズン開幕が今から楽しみだ。

そこで、昨年の成績と現在の移籍市場から、今年の【優勝予想】【ACL出場権争い】【降格予想】をしてみたいと思う。あくまで私見なので外れる可能性は大いにあるが、大きくは外すまい・・・

2017年のJリーグ

優勝予想

優勝予想は昨季チャンピオンの鹿島アントラーズ。

◎昨シーズン2冠の経験
◎他のチームにない勝者のメンタリティ
◎ボランチにレオ・シルバを獲得
△ACLを戦う過密日程
△柴崎岳の移籍

11月下旬から1月1日までのハードスケジュールを経て、チームとして一回り強くなった印象。

ボランチにアルビレックス新潟からレオ・シルバ、前線にはヴィッセル神戸から突破力と決定力持つペドロ・ジュニオール、J2降格したアビスパ福岡から若手FW金森健志と補強も手堅い。DFのファン・ソッコが抜けたものの、クラブワールドカップからレギュラーとして出てる植田直通の成長に期待。

柴崎岳の移籍はそこまで大きな痛手になるとは思えず、小笠原満男、永木亮太、新加入のレオ・シルバでJリーグは十分回せる。

懸念されるのはACL参加による過密日程。鹿島は過去ACLで好成績を残せてないので、『今年こそは』という思いが強いはず。リーグも外せないので、石井正則監督のマネジメント能力が試される。

キープレイヤーはFWの金崎夢生。昨シーズンは途中で監督と揉めたり、ゴールに見放されていた時期もあるが、CSとクラブワールドカップで見せた決定力とキープ力は日本随一。もう一度代表に戻るため、コンスタントにプレーして結果を残したいところ。

ACL出場権争い

ACL出場権は上位3チーム+プレーオフ1チーム。来年は減る可能性もあるが、Jリーグで3以内に入るか、天皇杯優勝するかなどの条件になる。当然ACL出場権を狙ってるチームはなく、あくまで目標は優勝。つまり、優勝してもおかしくないチームとなる。そのチームは浦和レッズ川崎フロンターレ。共に在籍選手もサッカーの質も高いが、ここ一番の勝負に弱いので次点とした。

浦和レッズ

◎昨シーズン年間勝点1位を獲った経験
◎豊富な選手層
△ここ一番における勝負弱さ

昨シーズンが1ステージ制なら優勝できたこと、後半に見せた抜群の安定度は、大きなテコ入れの必要がないことを意味してる。

補強はレンタル復帰の矢島慎也、長澤和輝に加え、ジェフからオナイウ阿道も獲得した。主力はそのまま残り、1トップ+トップ下2人箇所の人材は豊富。

問題はチームのメンタル。一度崩れると続いてしまう傾向にあるので、いかにしてその期間を短くするかが鍵。

キープレイヤーはFWの興梠慎三。数少ない優勝の味を知る男の経験、ゴールが浦和には不可欠。

川崎フロンターレ

◎昨シーズン最後まで優勝争いを演じた経験とサッカーの質
◯阿部浩之、家長昭博を獲得
△怪我人が多い
△大久保嘉人がFC東京へ移籍
☓大事な一戦で見せる貧弱なメンタル

昨シーズンはシルバーコレクターの汚名返上ができなかった川崎フロンターレ。気になったのは怪我人の多さ。昨季はGKとDFに怪我人が相次ぎ、シーズン中は怪我のなかった小林悠も、チャンピオンシップ前に離脱。今年はいかに怪我人を減らしてシーズンを送れるかで成績が変わってくる。

補強は外国人選手全員の残留を決め、ガンバからMF阿部浩之、大宮アルディージャから家長昭博を獲得。気になるのは大久保に代わるポイントゲッターを獲得できてないこと。残り1枠ある外国人枠を使うかどうか。。

キープレイヤーはFWの小林悠。昨季はCSに怪我の影響で出ることはできなかったが、それを除くと過去最高のシーズンを送った。「やっぱり大久保がいないと…」と言われないよう今季もゴールを量産したい。

ダークホース

優勝争いに参加する陣容が揃ってるチーム。ACL出場権は得たいところ。それは、サンフレッチェ広島、ヴィッセル神戸、FC東京、セレッソ大阪の4チーム。

サンフレッチェ広島

◎過去5年で3度の優勝経験
◯工藤壮人の加入
◯ACL不出場によってリーグ戦に集中できる環境
△選手層の薄さ
☓攻撃の手が少ない

昨シーズン年間6位に終わったサンフレッチェ広島。長年チームを引っ張った森崎浩司の引退、佐藤寿人の名古屋グランパス移籍はあるものの、大きな戦力ダウンは見られない。森保体制も今年で6年目と成熟の域に達しているので、地道な勝ち点の積み重ねに期待できる。

補強はいつも通り地味だが、昨シーズン終盤に活躍し始めたアンデルソン・ロペスのレンタル延長、バンクーバー・ホワイトキャップスから工藤壮人を獲得したのが大きい。

キープレイヤーはCBの塩谷司。日本人離れしたフィジカルとDFながら高い得点力を持つセンスはサンフレッチェ広島の強み。もう一度代表に返り咲くプレーを見せたい。

ヴィッセル神戸

◎昨季後半の勢い
◯J屈指の資金力を活かした補強
◯ネルシーニョ体制3年目
△優勝争い未経験
☓ペドロ・ジュニオールが鹿島アントラーズへ移籍

昨シーズン年間7位のヴィッセル神戸だが、2ndステージは2位と飛躍した。

チームの躍進を支えたペドロ・ジュニオールは鹿島アントラーズへ移籍してしまったものの、J屈指の資金力を活かしてFC東京から高橋秀人、ガンバ大阪から大森晃太郎、スポルティング・リスボンから田中順也を獲得して戦力はアップ。

優勝争い慣れしたチームでないので、プレッシャーに耐えられるか不明だが、ヴェルディとレイソルで優勝経験を持つネルシーニョ監督の存在が大きい。昨季後半に見せた勢いそのままにシーズンインできれば、もしかするともしかするかも。

キープレイヤーはFWのレアンドロ。日本のチームを渡り鳥のように回り、オイルマネーに惹かれてはあっさり移籍を繰り返していたが、それも決定力の高さゆえ。昨季得点王に輝いたように決定力の高さはJ所属選手の中でもトップクラス。

FC東京

◎代表クラス選手の補強
◯篠田善之監督就任以降の安定感
◯中島翔哉の成長
☓浦和レッズに対する苦手意識

今オフは積極的に動き、GKにサガン鳥栖から林彰洋、DFにはフィテッセから2年ぶりに復帰の太田宏介、中盤にはFCソウルから高萩洋次郎、前線に名古屋グランパスから永井謙佑、川崎フロンターレから大久保嘉人とう大型補強に成功。放出も昨季はサブが多かったメンバーばかりで大きなダウンは見られない。

優勝するためにはカモにされてるレッズを倒せるかどうかも重要なポイント。2006年〜2016年の10年で1勝5分14敗と、圧倒的に負け越してる相手に勝てるかどうか…

キープレイヤーは中島翔哉。リオ五輪後に出場機会を増やした逸材の更なる爆発が期待される。

セレッソ大阪

◎清武弘嗣の復帰
◎山口蛍の存在
◯目立った放出なし
◯尹晶煥新監督の韓国サッカー
△プレーオフを勝ち上がったてきたチームは翌年必ず落ちてるジンクス

昨シーズンプレーオフを制してJ1の舞台に戻ってきたセレッソ大阪。J2に落ちた年はフォルラン、柿谷曜一朗、南野拓実などの存在によってアウェイゲームが満員になるという事態まで起きたが、現在のチームは当時に比べると地味。しかし、目立った放出がなかったこと、サガン鳥栖で実績のある尹晶煥監督の就任によって面白いチームになる可能性は高い。

そして4年半ぶりに古巣のセレッソ大阪に復帰した清武弘嗣。日本人の現役選手でナンバーワン司令塔がどうチームを動かすか?

キープレーヤーは今シーズンから背番号10を背負うボランチの山口蛍。チームの顔は柿谷曜一朗だろうが、残留を決めて上位進出するにはハリルも認める山口蛍の危険察知能力が欠かせない。

中位

優勝争いも残留争いもない中位。現戦力から考えるとACL出場権獲得を狙えるかどうか微妙なところ。調子を崩せば残留争いに巻き込まれる可能性も持つ。それは、柏レイソル、ガンバ大阪、大宮アルディージャ、サガン鳥栖、ジュビロ磐田、横浜F・マリノス

柏レイソル

◯クリスティアーノの残留
◯ハモン・ロペスの獲得
△生え抜きの茨田を始めとする日本人プレーヤーの放出
☓選手層の薄さ

なぜかホームのガンバ戦に強い柏レイソル。距離関係なく強烈なシュートを打つクリスティアーノ、ベガルタ仙台から加入したハモン・ロペスが期待通りの活躍を見せればACL出場権も可能性0ではない。

気になるのはDFの増嶋竜也、山中亮輔、ボランチの茨田陽生、FWの田中順也に代わる選手を獲得できてないこと。大きく崩れることは考えにくいが、選手層の薄さは気になる。

キープレイヤーはサイドハーフの伊藤純也。スピードに乗ったドリブルはチームの武器なので、昨シーズン以上に右サイドを切り裂きたい。

ガンバ大阪

◎井手口陽介の成長
◯アデミウソンの完全移籍
☓思うように進まなかった移籍市場
☓阿部浩之、大森晃太郎の放出

昨シーズン年間4位フィニッシュで、今季ACLはプレーオフから出場するガンバ大阪。期待の戦力も数名加えたが、移籍した大森晃太郎、阿部浩之の穴は大きい。

ポジティブな要素として、昨年ヤングプレーヤー賞を受賞した井手口陽介の成長と、アデミウソンがレンタルから完全移籍に変わったこと。この2人が継続的に高いプレーをすることができれば上位争いも可能。それでも、、、厳しいだろう。

キープレイヤーはボランチの井手口陽介。長年チームを支えたベテランの遠藤保仁、今野泰幸に代わって中盤に君臨することができるか。昨季以上の活躍を見せて代表入りにも期待。

大宮アルディージャ

◎昨季年間5位で終えた実績
◯茨田陽生、大前元紀の獲得
☓泉沢仁、家長昭博の放出

昨シーズンクラブ史上最高の年間5位で終えた大宮アルディージャ。キャプテンでチーム得点王の家長昭博、ドリブルで攻撃にアクセントを付けていた泉沢仁の移籍は間違いなく痛いが、代わりに加入した茨田陽生のゲームメイク、大前元紀のシュートセンスに期待。

一方で堅い守備を支えたディフェンス陣はそのままなので、大きく崩れることは考えにくい。今年も早めに残留を決めて上位進出を狙えるかどうか。

キープレイヤーはボランチの茨田陽生。長年所属した柏レイソルを飛び出し、新天地どんな活躍を見せるのかが気になる。

サガン鳥栖

◎鎌田大地の成長
◯小野裕二の獲得
☓林彰洋、金民友の移籍

長年チームを支えたGKの林彰洋がFC東京へ、キャプテンで精神的支柱でもあった金民友が徴兵のため韓国の水原三星ブルーウィングスへ移籍。この穴をどのように埋めるのかがポイント。

移籍市場でも苦戦が続き、小野裕二以外はほとんど戦力外プレーヤー。昨季も苦しいシーズンを過ごしており油断は一切できない。

キープレイヤーは司令塔の鎌田大地。まだ20歳だが、冷静なプレーと昨季後半に見せた得点力はサガン鳥栖の大きな武器。豊田陽平、小野裕二にパスを送り、自らもゴールを決められるような活躍を見せれば、代表、海外移籍も十分あり得る。

ジュビロ磐田

◎中村俊輔の獲得
◯カミンスキーの残留
☓ジェイの放出

昨季は最終節でJ1残留を決めたジュビロ磐田だが、1stステージの貯金で何とか残れた印象。小林祐希の移籍以降は勝ち点の積み重ねに苦労した。昨季チーム得点王のジェイの穴が埋まってないのが気になる。

今シーズンは早めに残留を決め、その上でどこまで上位進出できるか?今季のビッグサプライズで横浜F・マリノスから中村俊輔を獲得したが、今年39歳になる選手にシーズンフル稼働は酷。しかし、その経験、存在はチームにとって確実にプラス。

キープレイヤーはGKのカミンスキー。背丈はないが、乗ってくると信じられないセーブを見せることがある。今年もジュビロ磐田は苦労することが予想されるので、スーパーセーブでチームを救いたい。

横浜F・マリノス

◎齋藤学の残留
△未知数な外国人選手の獲得
☓フロント

チームの経営状況が著しくない台所事情もあるが、フロントに愛想を尽かした選手が多く、まるで降格したチームのよう。齋藤学は残留したが、欧州移籍が叶わなかったことによる”とりあえず”の残留であり、夏に出ていく可能性を残している。

補強はサイドバックに松原健、山中亮輔、センターバックにはミロシュ・デゲネク、ボランチには扇原貴宏を獲得した。あとはレッドスターから獲得したダビド バブンスキーとヒューゴ・ビエイラがどこまで活躍してくれるかが鍵。

しかし、これで好成績を収めてもサポーターのモヤモヤは取れないだろう。

 

降格予想

ここまで出てきてないチームは全て降格してもおかしくないチーム。よくて一桁順位。

  • ヴァンフォーレ甲府
  • ベガルタ仙台
  • 清水エスパルス
  • アルビレックス新潟
  • コンサドーレ札幌

ヴァンフォーレ甲府
ウィルソンの獲得、ドゥドゥの残留は大きい。毎年降格を予想されるものの、不思議な残留力があるので今年も残れるか?全ては外国人選手の活躍次第。

ベガルタ仙台
DFに増嶋竜也、FWに平山相太と、かつて高校サッカーで一躍有名になった2人が同じチームでプレーする。が、それ以上にハモン・ロペス、ウィルソンの離脱が痛い。

清水エスパルス
大前元紀の移籍は痛く、J2同様の活躍ができるか不明な鄭大世頼みなチームに。サンフレッチェ広島から野津田岳人をレンタルで獲得したが、こちらも過度な期待は危険。

アルビレックス新潟
新外国人がどこまでの活躍をしてくれるか未知数だが、それ以上にレオ・シルバの移籍は痛い。

コンサドーレ札幌
稲本潤一と小野伸二が久々にJ1の舞台に!で盛り上がってるが、どこまで勝ち点を稼げるか?昨季J2優勝したものの、後半のもたつきはJ1残留が厳しいことを予見しているようだった。

どのチームも前半でどの程度勝ち点を稼げるかが鍵となる。

なお、降格のダークホースは横浜F・マリノス。中村俊輔のフリーキックで降格が決まるなんてシチュエーションにならなければいいが。。。

まとめ

最終予想順位はこのようになりました。

  1位 鹿島アントラーズ
2位 浦和レッズ
3位 川崎フロンターレ
4位 サンフレッチェ広島
5位 ヴィッセル神戸
6位 FC東京
7位 セレッソ大阪
8位 柏レイソル
9位 ガンバ大阪
10位 大宮アルディージャ
11位 サガン鳥栖
12位 ジュビロ磐田
13位 横浜F・マリノス
14位 ヴァンフォーレ甲府
15位 ベガルタ仙台
16位 清水エスパルス
17位 アルビレックス新潟
18位 コンサドーレ札幌

という予想。

中村俊輔を獲得したジュビロ磐田と放出した横浜F・マリノスがどうなるのか?