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池井戸潤『銀翼のイカロス』感想文:半沢直樹4-JALすぎるてシビれる名作に続編はあるのか?それはそうとドラマはよ

銀翼のイカロス

2013年TBSドラマ『半沢直樹』の原作小説シリーズの4作目、池井戸潤作『銀翼のイカロス』。前作『ロスジェネの逆襲』のようにやはり題名が格好よくなっているので驚きつつも、内容は、半沢が栄転で東京第一銀行の本社営業二課の次長に戻ってからの出来事が描かれている。

 

視聴率40%を超え社会現象ドラマの作品の原作の感想なので、読んでいる方も多いと思うが、この作品に関しては前3作と違った趣になっている部分も多い

 

この作品もドラマ化してほしいが、まだ続編のうわさは聞かない。映像化されるのか、されないのかという興味は尽きないが、原作は面白さの塊のような作品なので、今回はこの作品のネタバレ感想と紹介を書かせてもらいたいと思う。

 

 

シリーズの他作品の感想はコチラ

『オレたちバブル入行組』

『オレたち花のバブル組』

『ロスジェネの逆襲』

 

 

銀翼のイカロス 

あらすじ

半沢直樹シリーズ第4弾、今度の相手は巨大権力! 新たな敵にも倍返し! ! 頭取命令で経営再建中の帝国航空を任された半沢は、500 億円もの債権放棄を求める再生タスクフォースと激突する。政治家との対立、立ちはだかる宿敵、行内の派閥争い――プライドを賭け戦う半沢に勝ち目はあるのか?

出典:amazon

 

半沢直樹の4作目の敵は、まさかの国家権力である国土交通大臣の立ち上げた私設のタスクフォース。今までの融資先の会社や行内での派閥争いとは根本的に違う争いが待っており、啖呵を切るにしろ、証拠を突き付けるにしろ、相手が悪いのは間違いない。そんな中で半沢直樹…というよりは東京中央銀行と中野渡頭取がどのように戦い判断していくのかが、この作品の見どころだ。

 

イカロスと題名に入っているように、今回は大空を羽ばたく航空会社・帝国航空の経営破綻が主題になっており、空は飛ぶが墜落するイカロスという言葉に、大企業の経営破綻の様子をかけたタイトルも個人的には結構好き。

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amazonのあらすじでは伝わりにくいと思うので、もう少し噛み砕いて書いてみると、物語は半沢が他部署が行っていた民間航空会社・帝国航空の業績悪化に伴う修正再建の担当を指名されるところから始まる。

 

同時期に政権が交代し、白井亜希子国土交通大臣(アホ)がイメージ戦略の為だけに帝国航空の再建案を取り下げ、私設のタスクフォースを立ち上げる。その帝国航空再生タスクフォースのリーダーである及原正太弁護士(大物クズ)から、東京中央銀行は債権500億円の放棄を迫られることになる。その500億円の債権放棄を巡って、半沢直樹が闘っていく物語になっている。

 

中盤以降では、銀行内部の裏切り者である紀本平八常務(小物クズ)が債権放棄の話が進むように画策したり、『オレたち花のバブル組』にて半沢がコテンパンに退散させた黒崎駿一(おねぇクズ)も再登場して、半沢直樹を追いつめたりと、胃が痛くなるような展開が続いていく。

 

最終的には、中野渡頭取の代わりにマスコミも呼ばれた帝国航空再生タスクフォースの会議に出席し、政治家・箕部啓治(超大物クズ)の不正融資とマネーロンダリングを暴露し、500億円の債権放棄を拒否することになる。最後の中野渡頭取の半沢に対する台詞や、紀本との話し合いは渋さに溢れているので是非じっくりと読んでほしい所だ。

 

 

帝国航空=日本航空

作中に登場する帝国航空は、ほぼ間違いなくJAL(日本航空)の経営破綻と再建を題材にしている。この作品は今までの作品と大きく違い、明らかにモデルとなっている存在がある。また、進政党は民主党のこと。当時の前原誠司国土交通大臣のタスクフォースをベースに話が組み立てられており、登場する白井亜希子国土交通大臣のキャラクターは民主党の蓮舫議員や辻元議員をモデルにしているように感じる。そして進政党の創設者である箕部啓治は間違いなく小沢一郎がモデルだと思われる。政界のドンですね。おそろしい。

 

フィクションとはいえ、結構辛辣に当時の民主党政権の出来事を批判しているような内容とも受け取れるので、少し読んでいて疲れてしまうのだが、これも「ペンは剣よりも強し」といった所なのかもしれない。

 

現実のJALは再生…というよりは、わずか2年8か月で再上場を果たしたので、小説の中の帝国航空も同様に内部から浄化され変わっていくのではないだろうか。そういった意味では希望を見据えた物語ともいえる。 

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貧乏くじばかりを引く半沢

毎回、半沢は優秀さゆえに上の人間から一目置かれており、だからこそ今回のような厳しい仕事を任されてしまう傾向がある。今までもそうだったが、とにかく貧乏くじを引かされまくっているように感じるのだ。流石にかわいそう。

 

基本的に半沢のミスではなく他の行員のミスや不正のしりぬぐいをさせられているので、こんなに貧乏くじを引かされる人間を僕は見たことがない。

 

さらに問題としては、優秀な半沢のおかげで銀行が何度も窮地から救われているはずなのに、半沢がそこまで全体的に評価されているように思えないのも読んでいてモヤモヤしてしまうところだ。与えられるミッションに対しての銀行からのバックが薄い気がしてしまう。カワイソウ半沢カワイソウ状態だ。

 

さらにさらに出向させられた前作以降、奥さんである花が登場していないという点についても、あゝ夫婦仲があの出向によって悪くなってしまったのかなと、悲しい気持ちになってしまう笑

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続編はあるのか?

どうしても考えてしまうのは続編の問題だ。果たして半沢直樹シリーズの5作目は生まれるのだろうか?それを考えるにあたって必要なのは、過去の作品の敵と問題になった金額である。順番に見ていこう。

 

  • 『オレたちバブル入行組』

・中小企業「西大阪スチール」

5億円の債権回収

  • 『オレたち花のバブル組』

・老舗ホテル「伊勢島ホテル」

200億円の債権回収

  • 『ロスジェネの逆襲』

・上場企業『電脳雑伎集団』

500億円の追加融資阻止

  • 『銀翼のイカロス』

・国土交通大臣直属タスクフォース

500億円の債権放棄

 

と、このように敵も金額もどんどんスケールアップしていっており、続編を出すにしろ、これまでを超えるような内容でなければ盛り上がりに欠けてしまう。しかし、これよりもゴージャスで鬼気迫る設定は難しいとの噂もある。

 

おそらく続編があるのであれば、海外の大企業を相手にした1兆円規模の戦いくらいしか思いつかない。池井戸さん、なんとか書いてくれないかなぁ…と懇願してしまう感覚だ。

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ドラマ化するなら

やはりどうしてもドラマ化についても書いておきたい。僕は数年以内に続編ドラマ化するに違いないと信じている!!

 

 

絶対にすると思う!

 

してくれたら嬉しいな・・・

 

どうかしてくださいませ・・・

 

と、飼いならされた犬のように弱気になるほど、どうしてもドラマ化を待ち望んでしまう。前作『ロスジェネの逆襲』と合わせて半沢の東京中央銀行への復帰と、国土交通大臣の私設タスクフォースとの戦いを合わせれば、ちょうど1クールのドラマにピッタリだ。

 

もしかすると、あまりにもこの作品が現実に近いモデルを有している為に、政党やスポンサーの関係上ドラマ化が難しいのかもしれないと心配をしてしまったり、もしくはイメージや話題が先行するのを嫌った堺雅人さんが拒否しているのならばそれはそれで仕方ない事だと思う。

 

でも真田丸やリーガルハイなどの名作に出演されているので、堺さんのイメージは色々分散している気もしますけどね。是非、話があったら受けてほしい所だ!

 

 

最後に

2017年2月現在ではこの『銀翼のイカロス』の続編にあたる作品の噂は聞かず、同様にドラマ化の話も聞かない。

 

それでもいつか何らかの形でこの作品の次のステージが見れると信じているので、金融業界の水戸黄門である半沢直樹には、これからも正義という名の印籠を見せつけてほしいものだ。