Forest Lover

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BBQでいい思い出がない

知人の会社は、夏になると毎年社員全員集めてバーベキュー(以下BBQ)大会を行う。いつも一人でいるワタクシを不憫に思っているのか、その知人は毎年誘ってくれるが毎回断っている。

「来れば絶対面白いって!」
「いつもと違う場所で食べるだけで全然違うよ」

という誘い文句も毎回同じで、もしかしたらこれは一年に一度だけ自動送信される新手の迷惑メールなのではないかと思うほど。

BBQに興味がないといえば嘘になる。
若い子達とわちゃわちゃして面白くないはずがない。

「このフランクフルトもう食べれるよ〜!!」
「わーい!え?やだぁ〜デカすぎて口に入らないよ笑」
「先っちょから食べればいけるって」

「あっ、こっちのエリンギも美味しそう!」
「おいおい、それは俺のエリンギだよ笑」
「アハハ」

「この貝そろそろ開くんじゃね?」
「アハ、本当だ!やだぁ〜汁凄い笑」

考えただけでお腹いっぱいだ。

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BBQを通じて普段とは違う顔が見れるのもポイント。

働いている時とは違う顔、雰囲気、態度に男は弱い。少しでもBBQの手伝いをしていれば「家庭的な女がタイプの俺一目惚れぇ」となる。

雰囲気に弱いのは女も一緒。普段は怖い表情ばかりの上司がいつもより優しく接し、「ほい、フランクフルト」なんて優しさを見せれば「肉厚な男がタイプの私一目惚れぇ」となる。

そう考えると断るのが勿体ない気がしてきた。
たまには出てみようかな。。。

しかし、私にはBBQで一つ嫌な思い出がある…

肉から棒へ

10年以上前、当時務めていた会社の先輩が合コンと題してBBQをセッティングしてくれ、私も人数合わせで強制参加となった。

 

当日

男女4対4。悪くない。全然悪くない。相手は先輩の同級生関係で2、3歳上のお姉さん。健康的でバカそう楽しそうな人達。

もしかしたらBBQのあとには・・・と期待したのは言うまでもないだろう。

しかし、会場へ到着すると先輩の指示でBBQの焼き係を任される。同期が材料を切り、私が焼く。「肉まだぁ〜?」という先輩+女性陣の要望に応えるために汗だくになりながらも焼いた。

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先輩がいつも以上に先輩風を吹かせてイラッとしたが仕方ない。先輩がいなければ女性とBBQへ行く機会など皆無な生活を送っていたのだ。

 

一時間後、ようやく焼き係から開放され、女性と話すチャンスが到来する。が、先輩、いやパイセンが邪魔をしてくる。特に一番可愛いA子さんを独占しようとガンガン仕掛け始めた。

「休みの日はなにしてるの?」
「苦手な食べ物ある?」
「観たい映画あるんだよね〜」
「そのネイル可愛いね♪」

聞いてることは普通だが、“この子はオレの女”と言わんばかりに私含む他の男と話させない。しばらくするとA子さんもパイセンに慣れ、笑顔を見せる回数が増えていく。さすがパイセン。それだけならよかった・・・。

 

30分後

「ちょっと飲み物買ってくるわ!A子ちゃんも一緒にいい?」と、パイセンがA子さんを連れて消えた。

「またか笑」とパイセンの女友達が笑う。

ん?

どうやらパイセンBBQあるあるのようで、目当ての子と途中で抜け出してあれがこうしてニャンニャンすることがあるようだ。

 

マジか・・・

残された人達は虚しくBBQを続けた。
とにかく焼いた。

トウモロコシ、牛肉、焼きそば、玉ねぎ、、、そしてヤキモチ。 

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1時間半程過ぎた頃だろうか。2人は何食わぬ顔で帰ってきた。

「いやぁ、悪りぃ悪りぃ」
と謝るパイセンからは爽やかなシトラスの香り。

「色々やってもらってゴメンねぇ」
というA子さんからも同様にシトラスの香り。

※当方シトラス系の香りがあまり好きではないのだが、原因はこいつらにあると確信している。

その後、大きな盛り上がりもなくBBQは終わり、一同解散となった。パイセンは抜け出したA子さんと二回戦を実行するため街へ消え、残った人達は虚しく帰路に着く。

 

チキショウ… 

 

家に帰ると田舎から桃が届いていた。

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その桃は、BBQで食べたどんなモノより甘くて美味しかった。

 

翌朝

朝、目が覚めると、パイセンからのメールに気付く。

[昨日はお疲れ〜無事に帰れた?また企画するからよろしくね!]

パイセンが解散後に“ナニ”をしていたのか知っているが聞いてみる。

[◯◯さん(パイセン)は昨日解散したあとA子さんとどこイッたんですか?笑」

するとパイセンから
[あ、てか、今も一緒だよ笑]
という内容に加えて寝ているA子さんの画像を2枚も送ってきた。

1枚はA子さんのアップで口半開き・・・。
もう1枚はA子さんが寝返りを打った時に撮影したと思われるケツ・・・。

ケツ?いや桃だ。
鮮度も感度も抜群の桃だ。

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その桃がどんな甘さなのかはパイセンしか分からない。分かるはずもない。

こうして、前日に食べた桃の甘さを忘れるほどの塩辛い思い出ができてしまった。

それが私が記憶している最後のBBQ。

 

現在

あれから10年以上経過するが、パイセンは未だ独身で元気がいい。
そして未だにBBQを行う際は誘ってくる。

「来れば絶対面白いって!」
「いつもと違う場所で食べるだけで全然違うよ」

そう。冒頭に紹介した知人こそパイセンである。相変わらず手癖の悪さは有名で、時折パイセン武勇伝(被害者の声)を人づてに聞く。

今年もパイセンは鮮度抜群の桃を食べることだろう。そして、あの時の私同様に参加した人に戦利品(画像)を送っては、自身の決定力を自慢するに違いない。パイセンはそういう人だ。イケメンで仕事もできて話も面白い。その特権をフル活用してフルーツ狩りをするから敵わない。

さて、今年はどんな桃が収穫されるだろうか。