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本-小説

”魅力的な汚さ”が躍動する対暴力団警察小説『孤狼の血』感想文|柚木裕子

柚木裕子『孤狼の血』を読んだ。 昭和という時代背景と限りなくグレーなマル暴の刑事が織りなす、無骨で男くさい警察&ヤクザの小説。 男くさいハードボイルドな作品を拒絶してきたわけではないが、今まではあまり好んで手に取ってこなかったタイプの作品だ…

愛すべきクローズド・サークル系おすすめミステリー小説【23作品】

2018年4月20日更新 ミステリーファンとしては絶対に外せないジャンル―― 【クローズドサークル】 皆さんも読まれたことはあるかと思います。 傑作と呼ばれるクローズドサークルには、孤島や山荘に閉じ込められて、1人、また1人と殺人が起きていき最後には仰…

カフェで読みたくなる癒される小説【22作品】コーヒーでホッと一息つきたい時にどうぞ!

カフェで癒しの時間を過ごす時に、そのパートナーとして一冊の小説があることほど素敵なことはない。 香ばしいコーヒーに鼻腔をくすぐられながら、一つの物語に没頭できることは、読書好きにとってこの上ない贅沢だ。 できれば、その癒しの時間に読む物語は…

濃い性描写が楽しめる一般小説【13作品】エロスだけではなくストーリーも楽しめるおすすめ作品を厳選!

※2018年4月9日更新 はじめに 「AVよりも映画のエロシーンの方が興奮できるんだぜ」といいながら、『インビジブル』という透明人間になる映画を僕に貸してくれた学生時代の友人である大賀君の事をふと思い出した。確かにあの映画は微妙にエロかった。 インビ…

起承転結がないのにずっと面白い短編集『浮遊霊ブラジル』感想文|津村喜久子

津村喜久子『浮遊霊ブラジル』を読んだ。 何よりも強く感じたのは「僕はやはり津村喜久子の本が好きなんだ」という意識。 もう、その意識からは逃げられないかもしれない。 とんでもなく鮮やかなオチがある訳ではないし、スッキリと終わっていくわけでもない…

【読書初心者用】面白くて読みやすい本をまとめてオススメ!!【29作品】

2018年4月5日更新 普段から本を読まない人にとって、時間をかけて文字を読み続ける事は苦痛なものだ。 そこで今日はサクサク読めてエンターテイメント性の高い本を紹介したいと思う。読みやすくて面白い小説なら無理なく文章に慣れることが出来て、断続的に…

オススメの短編小説をオールジャンルで紹介!【28作品】

※2018年3月29日更新 はじめに 短編集の魅力は長編作品の魅力とは種類が違う。 一冊の本の中で様々な体験が出来たり、1つの物語だと思っていたらそれぞれの物語が繋がっていたりと、短編集だからこそ味わえる多くの要素が存在する。 さらに、好きな作家の違っ…

『春待ち雑貨店ぷらんたん』感想文:想像よりも重くてツライ連作短編ミステリー|岡崎 琢磨

岡崎琢磨『春待ち雑貨店ぷらんたん』を読んだ。 タイトルから想像するに、のんびりのほほんとしたストーリーを期待して手に取った作品だったが、ページをめくってみると想像よりもはるかに重苦しくツラい感情を味わう小説だったので驚いてしまった。 今回は…

『屍人荘の殺人』ネタバレ感想文:●●●が登場する本格推理はこの作品だけに違いない!!-今村昌弘-

凄まじい衝撃と共に読み終えた今村昌弘『屍人荘の殺人』。 第二十七回鮎川哲也賞受賞作でもあるこの作品は、ミステリーファンの話題を独占するとともに賞賛と批判の声を浴びた。話題になるということは、良くも悪くも世間の評価にさらされるということだ。 …

タイトルにチョコレートが入る小説たち【7作品】バレンタインデーにどうぞ!

2018年3月14日更新 『チョコレート』という言葉からはどんなイメージが連想されるだろうか? 高級感があるものから駄菓子屋で売っているお手軽なものまであり、子供から大人までが手に取るチョコレート。バレンタインで贈るときのドキドキや貰った時の喜び様…

湊かなえ『贖罪』のネタバレ感想と解説

湊かなえ『贖罪』を読んだ。 湊かなえのイヤミスといえば面白さのは折り紙付きで、デビュー作である『告白』はもちろんのこと、三作目に当たるこの『贖罪(しょくざい)』も凄惨な事件が起こる世界に引き込まれ、絶妙に嫌な気分にさせてくれる名作だ。 ちなみ…

『ドラえもん短歌』の魅力は黒いドラえもんから生まれる -枡野浩一-

僕らにとっての”ドラえもん”とは、どのような存在なのだろうか? アニメや映画のイメージからすると、かわいらしくて文句を言いながらものび太君を助けてあげて頼りがいがあったり、涙もろくてドジでポンコツなところもある未来から来たネコ型ロボット。それ…

近いから衝突する家族の温かさ『家族シアター』感想文 -辻村深月-

短編集はその短さゆえに、作品へ感情移入する絶対量が少なくなる。 長編作品の様に登場人物のバックボーンを重厚に描いて感情移入させたり、地道に努力を重ねることで最終的に成功を掴む描写でカタルシスを味わうことも少ない。 ところが今日紹介したい作品…

恋愛ミステリー【17作品】1000冊以上の中から選んだおすすめの本!

ミステリーと恋愛は相性が良い。 ミステリーの醍醐味は秘密を解き明かすことにあるのは言うまでもないが、相手の秘密を解き明かすために四苦八苦する様子はまさに恋愛のそれと酷似している。 また、ミステリーが与えてくれるドキドキ感はある種の”吊り橋効果…

ゴリゴリの近親相姦小説『私の男』感想文 -桜庭一樹-

”近親相姦”という言葉はエロ動画のジャンルでしか見ることがない。 男性はそういったアダルトなジャンルとして目にする機会があるので、そこまでの非日常を感じないかもしれないが、女性は”近親相姦”という言葉自体に触れる機会がそもそも少ないと思う。しか…

有川浩『ストーリー・セラー』実話?創作?感動と現実が交互に訪れる小説家の物語 -考察とネタバレ感想文-

有川浩の小説は読みやすく、作品の世界に入りこみやすい。これは人に好かれる小説としてとても大切な要素の一つだと思う。シンプルに物語に興味を持ち、シンプルにその世界に入っていけるというのは、シンプルに小説として素晴らしい。 だが、作品の世界に入…

男性にこそ読んでもらいたい!おすすめの恋愛小説【12作品】

2018年01月19日更新 『恋愛小説は女性が読む本である』 そんな考え方は一世代前の偏見で、今では男性でも恋愛に比重が置かれた作品を普通に楽しむ時代になってきているように感じる。映画『君の名は』のように、性別に関係なく支持される恋愛作品も増えてき…

弱ってる女を看病したいフェチにおすすめしたい『病弱探偵』感想文 -岡崎琢磨-

多くの岡崎作品の特徴と言えば、作品全体をひっくり返すような大きなどんでん返し。 同氏の作品である『珈琲店タレーランの事件簿』シリーズや『季節はうつる、メリーゴーランドのように』などは最後の場面でくるりと視点を変え、今まで見えていた景色を激変…

有川浩『旅猫リポート』原作感想文|猫好きな人間としてはフィクションだから全力で感情移入できるという考え方もある

猫が大好きな僕からすると、猫を題材にして涙を誘う本を書く行為はこの上なく卑劣な行為だと言わざるを得ない。だって、猫はズルいよね猫は。簡単に泣いてしまうし、そんなもん、泣くに決まっている。わかってはいたのだが、つい手を伸ばしてしまった作品、…

大人に向けた恋愛小説【15作品】甘いだけではないラブストーリー

出会いは最悪だったけど、一緒に過ごしているうちに気が付けばアイツのことが好きになっていた!?世界で一番ありえないけどちょっぴりキュートな恋がいま走り出す!? といった軽いタッチの恋愛が描かれている小説も良いのだが、やはり大人になると恋愛の爽…

超くだらない愛すべき小説『六枚のとんかつ』にも贈られるメフィスト賞って逆にすげえ-蘇部健一

小説の中には読むに値しないような”つまらない小説”がある。 本を読むということは、人生の内の貴重な数時間を一冊の本に費やすということである。それなのに読んだ本がつまらないというのは、本当に地獄のような出来事なのだ。その本に対価を払ったことも地…

性別を超えて楽しめる『女子的生活』はポジティブでキュートな痛快ガールズストーリー!-坂木司

坂木司の各登場人物たちはいつだって優しい。ちょっと優しすぎると言ってもいい。作品の中に悪意も少なく、あったとしてもその悪意を超える優しさで最終的に作品全体を覆ってしまうような印象を受ける。人によっては物足りなさを覚えるそんな印象が僕の坂木…

どうして人間は人間を食べてはいけないのか?『人間の顔は食べづらい』白井智之

奇をてらった題名で注目を浴びようとする作品はほぼ間違いなく駄作である。 基本的にはそんなスタンスを持っている僕は、あまりにも攻めた…というより狙ってんなぁと感じてしまう題名の本を手に取ることが少ない。内容に自信がないからタイトルだけでも狙い…

僕は小説『ナラタージュ』が狂おしいほどの恋だとは思わない-島本理生

映画化された『ナラタージュ』という作品の原作小説を読むと、描かれている感情がツラすぎて胃が痛くなってくる。決して叶わない恋愛。逃げ出したくても逃げ出すことのできない心の葛藤が悲鳴のように書き連ねられている文章に、読み手の方が目をそむけたく…

辻村深月『ゼロハチゼロナナ』感想文:両親は選べないが共に過ごす友達は自分で選ぶことができる

先日、『スロウハイツの神様』を読み終えてすぐ、同じく辻村深月の『ゼロハチゼロナナ』を手に取った。スロウハイツを読み終えたあとの温かな感動と爽快感が忘れられずに、同じく辻村作品を読むことにしたのだ。ところが、その安直な行動で僕は大いに傷つい…

図書館の魔女の続編は焦らしプレイが長すぎるけどやっぱり名作『図書館の魔女 烏の伝言(からすのつてこと)』-高田大介

「マツリカとキリヒトが全然出てこないじゃないか!」 と、読んだ多くの方が思ったであろう感想を一番初めに書いてみた。この『図書館の魔女 烏の伝言(からすのつてこと)』は、前作『図書館の魔女』の続編にあたる作品だが、前作を読み終わった流れでそのま…

こんな村に住んでみたい!読み終わりの喪失感が激しすぎる『神去なあなあ日常』感想文|三浦しをん

三浦しをんの『神去なあなあ日常』を読みました。 『WOOD JOB!』という題名で映画されているこの作品は、個人的には映画に向いていない作品だと思ってました。単純に林業という"お仕事小説"という側面のみから描く小説だったら映画にするのも面白いと思うん…

チヨダ・コーキを愛さずにはいられない『スロウハイツの神様』はクリエイター視点の傑作小説-辻村深月

辻村深月の作品を無防備に読み始めると、じっとりと追い詰めてくるような人間の悪意に襲われて、心が侵されることがあります。辻村深月の世界で唐突に姿を見せる負の感情は読み手の平穏を握りつぶしてきます。 しかし、この『スロウハイツの神様』は負の感情…

常識的な性行為ってなんだろう?『ギンイロノウタ』村田沙耶香

村田沙耶香の作品に一度ハマってしまうと、その世界から抜け出すために大変な苦労をすることになる。 村田作品は読めば読むほど読み手の常識を揺さぶってくる。自分が常識だと思っていることが、普遍的な常識ではないことに気づかされて、現在の社会の常識と…

史上最もHな探偵!『○○○○○○○○殺人事件』に登場する上木らいちがとにかくエロい!-早坂吝

すぐに股を開くいやらしい女性が探偵小説の主人公でもいいと思う。 アガサクリスティーの小説に登場するミス・マープルや森博嗣のVシリーズで活躍する瀬在丸紅子など、古今東西の推理小説の世界に女性探偵がいないわけではない。しかし、男性が主人公のハー…