フォレストラバー

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どうして人間は人間を食べてはいけないのか?『人間の顔は食べづらい』白井智之

奇をてらった題名で注目を浴びようとする作品はほぼ間違いなく駄作である。 基本的にはそんなスタンスを持っている僕は、あまりにも攻めた…というより狙ってんなぁと感じてしまう題名の本を手に取ることが少ない。内容に自信がないからタイトルだけでも狙い…

僕は小説『ナラタージュ』が狂おしいほどの恋だとは思わない-島本理生

映画化された『ナラタージュ』という作品の原作小説を読むと、描かれている感情がツラすぎて胃が痛くなってくる。決して叶わない恋愛。逃げ出したくても逃げ出すことのできない心の葛藤が悲鳴のように書き連ねられている文章に、読み手の方が目をそむけたく…

辻村深月『ゼロハチゼロナナ』感想文:両親は選べないが共に過ごす友達は自分で選ぶことができる

先日、『スロウハイツの神様』を読み終えてすぐ、同じく辻村深月の『ゼロハチゼロナナ』を手に取った。スロウハイツを読み終えたあとの温かな感動と爽快感が忘れられずに、同じく辻村作品を読むことにしたのだ。ところが、その安直な行動で僕は大いに傷つい…

苦味のある日常の謎《米澤穂信作品》絶対に読んでもらいたいおすすめ小説ランキング【BEST11+α】

2017年11月12日更新 ミステリー作家でありながら、青春時代に感じる“苦味”をその謎に美しく盛り込むことに長けた小説家『米澤穂信』。 若かりし頃に味わう万能感の喪失、若さゆえの無力感など、読んでいるだけで胸の奥を絞られるようにつらい気持ちになって…

図書館の魔女の続編は焦らしプレイが長すぎるけどやっぱり名作『図書館の魔女 烏の伝言(からすのつてこと)』-高田大介

「マツリカとキリヒトが全然出てこないじゃないか!」 と、読んだ多くの方が思ったであろう感想を一番初めに書いてみた。この『図書館の魔女 烏の伝言(からすのつてこと)』は、前作『図書館の魔女』の続編にあたる作品だが、前作を読み終わった流れでそのま…

林業を題材にした『神去なあなあ日常』は日常系小説として中毒性がありすぎる-三浦しをん-

三浦しをんの『神去なあなあ日常』を読みました。 『WOOD JOB!』という題名で映画されているこの作品は、個人的には映画に向いていない作品だと思ってました。単純に林業という"お仕事小説"という側面のみから描く小説だったら映画にするのも面白いと思うん…

チヨダ・コーキたちを愛さずにはいられない『スロウハイツの神様』はクリエイター視点の傑作小説-辻村深月

辻村深月の作品を無防備に読み始めると、じっとりと追い詰めてくるような人間の悪意に襲われて、心が侵されることがあります。辻村深月の世界で唐突に姿を見せる負の感情は読み手の平穏を握りつぶしてきます。 しかし、この『スロウハイツの神様』は負の感情…

【閲覧注意】グロくて気持ち悪い小説たちをおすすめしましょうか【13作品】

2017年10月13日更新 文字を読んでいるだけで気分が悪くなるようなグロくて気持ち悪い描写の小説が存在する。どうしてそんな本を読むのか?なぜ、わざわざ時間をかけて本を読み、嫌な気持ちになる必要があるのか理解できない人たちも多いかもしれない。 そん…

【読書初心者用】面白くて読みやすい本をまとめてオススメ!!【26作品】

2017年9月30日更新 普段から本を読まない人にとって、時間をかけて文字を読み続ける事は苦痛なものだ。 そこで今日はサクサク読めてエンターテイメント性の高い本を紹介したいと思う。読みやすくて面白い小説なら無理なく文章に慣れることが出来て、断続的に…

常識的な性行為ってなんだろう?『ギンイロノウタ』村田沙耶香

村田沙耶香の作品に一度ハマってしまうと、その世界から抜け出すために大変な苦労をすることになる。 村田作品は読めば読むほど読み手の常識を揺さぶってくる。自分が常識だと思っていることが、普遍的な常識ではないことに気づかされて、現在の社会の常識と…

史上最もHな探偵と呼ばれる上木らいちが登場する『○○○○○○○○殺人事件』はとにかくエロい!-早坂吝

すぐに股を開くいやらしい女性が探偵小説の主人公でもいいと思う。 アガサクリスティーの小説に登場するミス・マープルや森博嗣のVシリーズで活躍する瀬在丸紅子など、古今東西の推理小説の世界に女性探偵がいないわけではない。しかし、男性が主人公のハー…

濃い性描写が楽しめる一般小説【11作品】

※2017年9月13日更新 はじめに 「AVよりも映画のエロシーンの方が興奮できるんだぜ」といいながら、『インビジブル』という透明人間になる映画を僕に貸してくれた学生時代の友人である大賀君の事をふと思い出した。確かにあの映画は微妙にエロかった。 インビ…

小説ってどう楽しむんだっけ?『グローバライズ』性と暴力がぶっ飛びすぎてて置いてけぼり…-木下古栗

「なんじゃいこりゃあ!!!」 と大きな声を上げて本をバタリと閉じてしまいそうになるブッ飛んだ短編小説集がある。それは木下古栗(きのした ふるくり)の『グローバライズ』という作品。※表紙のデザインが象徴的なので『GLOBARISE』と英語表記かと思いき…

『探偵の探偵シリーズ』全作品のネタバレ感想文:暴力に対して機転で対応する女性版ハードボイルド作品-松岡圭祐

2017年8月30日更新 読みやすくて優しめな物語を書いている印象の松岡圭佑さんが、比較的ハードな作品を描いているシリーズがある。北川景子さん主演でドラマ化もされいている人気作になっている『探偵の探偵シリーズ』だ。 以前から気になっていたものの、な…

山田詠美『放課後の音符(キイノート)』感想文:不朽の名作なのは間違いないけど、大人ぶってる少女を見ると恥ずかしくなっちゃう

オッサンである僕が女子高生の心情を綴っている小説を読んでいるのはかなりキツい。 この“キツい”というのは単純にオッサンが女子高生の心情を綴っている小説を読んでんじゃねーよ、という外から見た時のキツさもあるし、それ以上に僕の年齢で彼女らの心情に…

言葉を操る大人の為のファンタジー小説『図書館の魔女』感想文!名作すぎて読了後の喪失感が凄すぎる…

高田大介『図書館の魔女』を読んだ。 運命の人と出逢えた時の感覚を雷に撃たれたようだと表現するが、この作品を読み終えた今、同じく雷に撃たれて痺れたような感覚でこの文章を書いている。読み終わった今でもまだ胸がドキドキしている。 本当に久々に出会…

心が性悪説に染まっていく『蠅の王』感想文-ウィリアム・ゴールディング

ウィリアム・ゴールディングの小説『蠅の王(原題:Lord of the Flies)』を読んだ。 1954年に出版されたこの作品は内容の過激さから多くの出版社から発売を拒絶されていたそうだ。その拒絶も納得してしまうような物語…具体的に言えば、無人島に不時着した少…

バレンタインに贈りたい素敵な『チョコレート』の小説【6作品】

2017年7月24日更新 『チョコレート』という言葉からはどんなイメージが連想されるだろうか? ドーナツやケーキ、フォンデュも捨てがたいし、ブラウニーやアイスなどはビターな風味がある。そいいった固有名詞はもちろん、チョコレートは美味しいイメージ。ベ…

読むならばそれなりの覚悟を…『残穢』小野不由美

小野不由美『残穢』を読んだ。 この『残穢』という作品は不思議な作品で、とんでもなく恐ろしいという評判を聞く一方で、想像していたよりも全然怖くなかったと、肩透かしをくらった人たちの意見も聞く。どうしてこんなことが起こるのだろうか? ちなみに僕…

ドMのネトラレ好きだけが楽しめる闇落ちクソ恋愛小説『リケコイ。』

僕は基本的に、おすすめしたい小説の話をしたいのですが、多く本を読んでいるとたまに交通事故のように突発的にクソ小説にぶち当たることがあります。 すべてが時間の無駄で、何一つ得るものもなく、過ごした時間も価値がない。マジで時間とお金を返して欲し…

笑いの狂気が生んだカイブツが叫びだしている『笑いのカイブツ』ツチヤタカユキ

ツチヤタカユキ『笑いのカイブツ』を読んだ。 ニッポン放送のラジオ番組『オールナイトニッポン』のネタはがきのコーナー、NHKで放送していた『着信御礼!ケータイ大喜利』など、笑いに対してストイックな番組を好む人はこのツチヤタカユキという名前を知っ…

読後感が最悪な胸くそ悪い小説こそ読むべきだ【15作品】

※2017年6月22日更新 本を読み終わったあとに胸クソ悪くなる作品は、世の中にたくさんある。 何故わざわざ時間をかけて本を読み、嫌な気持ちになる必要があるのか、理解できない人たちもたくさんいる事だろう。 そんな方々に勘違いしてもらいたくないのは、そ…

<古き良き>は<古いだけ>に変わっていくのだろうか『ままならないから私とあなた』朝井リョウ

読むたびに傷ついたり嫌な気持ちになることはわかっているのに、懲りずに読んでしまう朝井リョウの作品たち。 朝井リョウ作品の多くは、人間の感情を言語化して説明し、読者へ一歩ずつ詰めていく。そして逃げられなくなったところで、至近距離から大声で人間…

【蜜蜂と遠雷】漫画化するなら『天才を描く天才』である曽田正人先生に描いてもらうべきだよね

直木賞と本屋大賞をダブル受賞した『蜜蜂と遠雷』 僕も以前、読んで感想を書かせていただきました。 タブル受賞で話題性もあり、さらに内容についてもこれだけ素晴らしい作品なのであれば、近いうちに必ずアニメ、映画、ドラマなどのほかの媒体に姿を変えて…

オススメの短編小説をオールジャンルで紹介します!【26作品】

※2017年4月24日更新 はじめに 短編集の魅力は長編作品の魅力とは種類が違う。 一冊の本の中で様々な体験が出来たり、1つの物語だと思っていたらそれぞれの物語が繋がっていたりと、短編集だからこそ味わえる多くの要素が存在する。 さらに、好きな作家の違っ…

《超能力者》が登場する小説はとても少ないって知ってた?【8作品】

「超能力者はこの世界に本当に存在するのだろうか?」 そんな疑問は誰しもが抱いたことがあり、肯定派・否定派が多数存在する。いまだに議論されているということは明確な回答は得られていないのだろう。 小説においても “超能力” という存在が登場すること…

汐街コナ【「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)】感想:真面目な人こそ目を通してほしい一冊

汐街コナさんが昨年Twitterへ投稿した内容に加筆した【「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)】を読んだ。 □内容紹介 Yahoo!ニュース、アゴラ、グノシー、スマートニュース、ダ・ヴィンチニュース、ほんのひきだしFM FUJI「GOOD DAY」にて紹…

【直木賞・本屋大賞】恩田陸『蜜蜂と遠雷』感想文:文字から聴こえ漏れてくる美しい音楽の調べ♬

読みました。読みましたよ、恩田陸『蜜蜂と遠雷』。 第156回直木三十五賞と第14回本屋大賞をW受賞している作品なので期待はしていましたが、正直、ここまでの傑作だとは思いませんでした。読み終わって、ちょっとまだ興奮から醒めていないような状態なのです…

胸熱の青春小説をまとめておすすめする【26作品】爽やか作品を中心に選びました!

2017年10月15日更新 はじめに "素晴らしい青春小説"は"初恋"に似ている。 物語に感情移入し輝かしい時間を共に過ごすことで得られるトキメキはもちろんだが、読み終わった時に味わう喪失感が初恋に破れたときの感覚に近いからではないかと思う。 その失恋に…

愛すべきクローズド・サークル系おすすめミステリー小説【21作品】

2017年3月30日更新 ミステリーファンとしては絶対に外せないジャンル―― 【クローズドサークル】 皆さんも読まれたことはあるかと思います。 傑作と呼ばれるクローズドサークルには、孤島や山荘に閉じ込められて、1人、また1人と殺人が起きていき最後には仰…